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「マイナビ2013」の広告ビジュアルは極めて考えもの

JR新宿駅の構内に張り出されたマイナビの街頭広告(撮影:安藤健二)

 本日12月1日は、大学3年生の就活の対外的スタートの日。「新卒一括採用」の是非は今日はともかくとして、"就活ビジネス"の総本山ともいえる株式会社マイナビが、新聞広告やネットのバナー広告を出稿している。そのビジュアルに、ツイッターやブログの更新で批判が相次いでいる。

 履歴書の写真のように、学生とおぼしき男女全員(新聞広告全頁で114人)が判で押したように黒のリクルートスーツを身にまとい、無表情に「全員一律」右手をわざとらしく顎にかけている。それは、猿真似のジョブズ・スタイルのようでもあり、あまりに一様で個性的でないためパロディにもなっていない。私も、大学生をエスタブリッシュや既存社会へ屈服させる権威や"おごり"のようなものを感じて、極めて不快だった。

 大学生をネタに商売を続けてこられ発展してきているのに、若者の創造力や活力をそぎ落とすような圧迫感があり、微塵のリスペクトも感じない。企業は国内マーケットが低迷し、今更欧米マーケットも伸ばせない中、BOPマーケットをこじ開けるくらいの気概や熱いハートを持つ青年を待望しているはずなのに、こんな金太郎飴のような学生たちの従順"ポチ"スタイルをマイナビのクライアントである大手企業は望んでいるのであろうか。

 ちょうど3年近い前に、起こったできごとを思い出した。

 岩手県奥州市の黒石(こくせき)寺で繰り広げられる伝統行事「蘇民祭(そみんさい)」の観光ポスターを市が駅構内に掲示しようとしたところ、JR東日本から待ったがかかった事案だ。「男性の裸に不快感を覚える客が多い」という理由で、数十年作製しているポスターの掲示拒否をJR東日本が行なったのだ。疫病よけや五穀豊穣(ほうじょう)などを願い、千年以上続いたとされるものでも、現代に生きる女性からセクハラではという指摘があって、JRサイドが重く見た判断であった。

 今回のマイナビのビジュアルは、日常生活や職場でありえないポーズを一律に課せ写真まで取らされる「パワハラ」を惹起する、女子大生は半分はいるから「セクハラ」を想起という指摘を受けたら、一体どう応えるのだろう。リスク・マネジメントの問題でもある。

 就活の協定など「蘇民祭」の歴史や文化の重みに比べれば、1960年代以降で解禁時期が変わったり、何度も破ったり破られたりの吹けば飛ぶようなもので、それ自体ご大層なものではない。広告を変えても外しても、実務に携わる担当者は別として、大したことでもない。是非ステークホルダー交え、社内で今回のどうにも悪趣味で気味の悪ビジュアルを再考されたらどうか。「働き方を考えることは、生き方を考えることだ」のタグラインが不釣合いで泣いている。

 広告は時代の"未来を見せるプレゼンテーション"であり、好意形成を目的とするツールであるはずだ。「民」の声に対し、すみやかに耳を傾けて欲しい。

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