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「あらためて たばこ1000円を論ず」―たばこは薬と思え―

11月8日付の各紙朝刊によると、2018年度の税制改正を検討している政府は、たばこ税を来年10月から3年かけ1本当たり3円増税する案を軸に与党との調整に入ったと報じている。

消費税率の引き上げが予定される19年は見送り、ことし10月と20、21年の3回に分け1円ずつ引き上げるとなっており、予定通り実施されれば1箱(20本)60円のアップとなる。増税に合わせ同額あるいはそれ以上の小売価格の引き上げが行われることが多く、1本当たり3.5円の増税が実施された2010年は主要銘柄で110〜140円の値上げとなった。

3円の値上げとなれば、今回も100円を超す値上げになると思われ、1箱400円台と、OECD(経済協力開発機構)の中で最も安い日本のたばこ価格はようやく500円時代を迎えることになる。ちなみに世界で最もたばこ代が高いといわれるオセアニア地域では、オーストラリアが1箱2070円、ニュージーランドが1760円(いずれも2014年)などとなっている。ニューヨーク、ロンドンも1箱1000円時代である。

何よりも指摘したいのは、わが国は何故に、たばこの小幅増税を繰り返すのか、ということだ。一度に1000円に値上げすれば税収も増加し、禁煙者も増え、医療費も大幅に抑制できる。

最近では企業の職場禁煙も徹底しており、喫煙者はその都度、喫煙場所に足を運んで喫煙することになるが、この結果、喫煙職員と非喫煙職員の実労働時間、ひいては労働効率にも相当の差が出ているはずである。

禁煙を希望する人が健康保険を使って治療を受ける制度も整備されている。私が知る限り、実際に禁煙を試み失敗した喫煙者も多い。

どうしても禁煙できない方には、たばこを薬と考えれば、例えば朝に1本、午前10時に1本、昼食時に1本、午後3時に1本、夕方から寝るまでに3本と、1日7本もあれば十分で、たばこ1000円になっても金銭的負担はあまり変わらない。現実に、航空機は全面禁煙だが、遠くは12時間以上も禁煙に耐えているではありませんか。

税制調査会はたばこ値上げに反対する理由として、たばこ販売店、葉タバコ農家の保護を“錦の御旗”としてきた。しかし、たばこ販売店は既にコンビニに代わり、最盛期8万戸を数えた葉タバコ農家も現在は1万戸を割っている。税制調査会の論理は既に破たんしていると言っていい。

選挙は終わったばかり。この辺で政治に関わる皆さんに、大胆な発想の転換のもと、来年は明治から150年でもあり、たばこ1000円の実現を切に望みたい。

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