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質問時間「0分」の衝撃

「会派に入っていないので質問時間は0分」。

15年前、市議会議員になったとき、新年度の「当初」予算案に対する質疑はできなかった。

当時、松阪市議会議員選挙と市長選は、4月の統一地方選の中でおこなわれていた。
このように市長選が行われるときは、3月に議決する新年度予算は骨格にとどめ、肉付けは新しい市長が盛るよう、選挙後最初の議会にとっておくのが慣例だった。
その議会は6月である。
市長、議員とも、5月1日付で任期が始まるので、それから1か月ほどしかないが、新市長が思いを政策予算に表せるようする配慮だ。

議員になって1か月しかたっていない自分も、議案の中で一番重要な「当初」予算案を質疑するつもりでいたら、質問時間の壁にぶち当たった。

当初予算案に対する質疑は、会派代表方式をとっていて、会派に入っていない議員は当然に会派代表ではありえず、質問はできないと、議会運営委員会も議会事務局はいうのだった。

それで、議員になって最初の当初予算質疑は見送らざるを得なかった。

しかし、これは地方自治法にも会議規則にも反する慣例であるとして、質疑時間の確保を申し入れ、翌年度からはわずか20分の持ち時間ながら質疑ができるようになった。

議員になって10年くらい、当初予算案に関しては「20分」に甘んじた。

「20分」の根拠はこうだ。
会派に与える時間配分は、会派の持ち時間を20分として、所属議員一人あたり20分として人数分を掛けて決まる。
3人の会派なら、会派時間20分に、3人の議員の分(20分×3人)で、80分というふうになっていた。
それに対し、会派に入っていないと会派分がゼロなので0分であるが、一人であっても会派とみなして、「20分×1人」として20分というわけだ。

松阪市の規模でも、当初予算は、一般会計、特別会計、企業会計で1000億円を超える。
そこに盛られた膨大な事業に対する質疑を、市長らの答弁を含めて20分で行えというのである。
ありとあらゆるジャンルを取り扱うわけにはいかないので、いつも、当初予算は企業会計の市民病院経営に絞って質問していた。

その後、ようやく、質問時間に会派枠というのがとれて、議員一人あたり何分にするかという議論になった。
60分にすべきと主張したが、折り合いがついたのは50分だった。
いまは、会派に入っていても入っていなくても議員だれでも同じだ。

さて、国会のほうでは、自民党が「3時間。与党と野党の配分は5対5」という案を示してきたそうである。

与野党合わせて、わずか3時間(委員会)。

松阪市議会なら、議員3人分と少しといったところか。

必要性が問われた選挙であれだけ膨大な国費を使って、ようやく国会が開会されると思ったら、質疑の時間はトータルで3時間って、笑わせる。
国会は、たんなる数合わせマシーンではあるまい。

野党が主張している7時間でも少なすぎる。

配分だけの問題ではない。
時間さえたっぷりとあれば、望みの通り、与党議員にもたっぷりと質問していただくことができる。
質問を聞けば、その議員のレベルを知ることができる。
有権者も、その内容で、その議員のこれからを判断する材料にできる。
どんなつまらない質問をしているか、有権者にはよく知っていただくほうがよい。

国会議員は、それぞれの地元に週末にしか帰ってこないので、中央でどういった仕事をしているか、なかなかうかがい知ることはできないが、決して国会という場で仕事をしているわけではないということだ。

ほとんど、国会は開かれていないのだから。

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