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アメリカ外交の定石に回帰した「トランプ日韓訪問」 - 村上政俊

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つのるばかりの韓国の「心配」

「トランプは、韓国を訪問したくない、と当初述べていた」と、知日派でCSIS(戦略国際問題研究所)上級副所長のマイケル・グリーンが韓国紙『中央日報』のインタビューで明らかにしている。だがこれは、トランプのワガママなどでは決してない。韓国は北朝鮮有事における当事者ではなく従属変数に過ぎず、協議する意義が小さいという米韓関係の本質を、トランプが見抜いているということを示している。

 政権移行チームでは政治任用ポストの人選を担当し、トランプと近い関係にあるウィリアム・ハガティを駐日大使に起用し、駐中国大使には前アイオワ州知事で習近平国家主席と古くから親交があったテリー・ブランスタッドを充てたにもかかわらず、これだけ北朝鮮情勢が緊迫する中でも駐韓大使は未だ指名もしていないという事実もまた、その端的な表れだ。

 一方韓国にも、自分たちの頭越しに戦争が始まるのではないか、という恐怖がある。

 今回のアジア歴訪に際し、トランプは日本と中国には2泊するのに韓国には1泊しかしない、と韓国内で大騒ぎになったが、これは韓国特有のひがみ根性によるだけでなく、自分たちのあずかり知らないところで戦争が決定されるのでは、という心理を表しているといえよう。トランプの実の娘であるイヴァンカ大統領補佐官が、急遽訪韓を取り止めて東京からワシントンに取って返したことも、こうした心配を増幅させた。

 オバマ前政権は日本よりも韓国を重視するきらいがあった。昨年の大統領選挙でトランプに敗れたヒラリー・クリントンは前政権の国務長官時代、アジア太平洋における同盟国を韓国、日本、オーストラリアの順に挙げて顰蹙を買った。ところがトランプの洞察力によって、アメリカの東アジア外交における日本と韓国の位置付けは元に戻されたといえる。

 今回の日韓両国の訪問でトランプは、日本との同盟関係こそが東アジア政策の基軸である、というアメリカ外交の定石への回帰を鮮明にしたといえそうだ。(文中敬称略)

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