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アメリカ外交の定石に回帰した「トランプ日韓訪問」 - 村上政俊

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 トランプ米大統領は日本に引き続き、11月7日から1泊2日で韓国を訪問した。韓国側は、アメリカ大統領としては25年ぶりとなる国賓待遇を用意してもてなしに懸命だったが、北朝鮮対応をめぐるトランプと文在寅(ムン・ジェイン)大統領の本質的な溝は埋めようもなかった。その背後には一体何があるのか。

「当事者性」のない韓国

 北朝鮮に宥和的とされる文在寅は、トランプ訪韓に先立つ11月1日、韓国の事前同意がない軍事行動はあり得ない、と国会の施政演説で述べた。ここで確認しておかなければならないのは、韓国軍の作戦統制権のありかだ。

 平時における統制権は1994年に韓国に返還されたが、戦時におけるそれは依然として返還されていない。すなわち北朝鮮との戦争が始まれば、韓国軍は文大統領ではなく、米韓連合軍司令官(在韓米軍司令官が兼務)を通じてトランプの指揮に服するということになる。

 この事実は、韓国が北朝鮮有事の当事者ではないことを端的に示している。朝鮮半島南部に位置する韓国領土は、物理的には戦場となるかもしれないが、韓国という国家は戦端が開かれると当事者性を失う、ということだ。

 淵源は、1950年に勃発した朝鮮戦争にある。この時、作戦指揮権は、韓国からマッカーサー国連軍司令官に移譲され、さらに米韓連合軍司令官に継承された。それゆえ、1953年の休戦協定署名の際には、韓国は参加すら認められなかった。

 注意しなければならないのは、現在の朝鮮半島情勢は、この休戦協定の延長線上にあるということだ。朝鮮戦争はあくまで休戦状態にあるだけで終結していない、ということを常に念頭に置いておかなければならない。韓国政府の言う「事前同意」は戦争遂行上、トランプにとっては政治的にはもちろん、法律的にも必須の条件ではない。文在寅のトランプへの要求は、国内向けのパフォーマンスに過ぎないのだ。

 トランプは、文が北朝鮮への人道支援を持ち出すなど対北圧力路線を乱していることに苛立っており、米韓FTA(自由貿易協定)再交渉をテーブルに乗せて、経済的な圧力を韓国に加えている。トランプの日本への対応と比較すればわかりやすい。安倍晋三首相との個人的な信頼関係に加えて、対北朝鮮での日米同盟の結束を優先し、貿易問題は安倍-トランプのラインではなく、麻生太郎副総理-ペンス副大統領の日米経済対話に大きく委ねたのとは異なっていた。

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