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スペイシー氏、完成映画から消されることに 俳優変更で撮り直し

米俳優ケビン・スペイシー氏が常習的な性的加害行動を繰り返していたとの指摘が相次ぐなか、すでに完成していたハリウッド映画から出演場面が削除されることになった。

映画「All the Money in the World」でスペイシー氏が演じた石油王ジャン・ポール・ゲティの役は、クリストファー・プラマー氏が演じ、出演場面は撮り直しとなる。映画は当初の予定通り、米国で12月22日に公開の見通し。

リドリー・スコット監督のこの映画は、1973年にゲティ氏の16歳の孫が誘拐された事件を描いたもの。

米誌バラエティによると、スペイシー氏は2週間に及ぶ撮影を終えていた。単独で出演している場面がたくさんあるという。

スペイシー氏は、すでに9月に公開された映画の予告編に登場している。

映画に出演するマーク・ウォールバーグ氏とミシェル・ウィリアムズ氏も、取り直しに参加する見通し。

ロサンゼルスで9日から始まった米映画協会(AFI)の映画祭で上映が予定されていたが、出品が中止された。

映画で秘書を演じる女優バレンティーナ・ビオロ氏は、スペイシー氏とは夏の撮影終了パーティーで会ったと、BBCニュースの取材に話した。

「とても親切で優しく、思いやりがあった」、「楽しみながら飲んだり食べたり、おしゃべりしていた」という。

10月30日に米俳優アンソニー・ラップ氏が性的な関係を持ちかけられたと名指しで非難したのを皮切りに、スペイシー氏のキャリアは転落の一途をたどっている。

米動画配信サービス「ネットフリックス」はスペイシー氏主演の連続ドラマ「ハウス・オブ・カード」の制作を中断し、スペイシー氏を降板させた。国際テレビ芸術科学アカデミーは、予定していた国際エミー賞功労賞の授与を撤回した。さらに代理人兼広報担当者は、スペイシー氏との顧客契約を解消した。

ラップ氏は、自分が14歳の時にスペイシー氏に性的に言い寄られたと明らかにした。スペイシー氏は、この出来事を覚えていないとした上で、謝罪した。

その後、さらに複数の男性が被害に遭ったと名乗り出ている。8日には元ニュースキャスターが記者会見し、昨年夏に自分の18歳の息子が被害に遭ったと明らかにした。

スペイシー氏は、一連の指摘を受け、治療を受けようとしていると代理人を通じてコメントしている。ただし、どのような治療を受けるつもりかは明らかにしていない。

<解説> ニール・スミス芸能担当記者

俳優の死亡や病気、その他の避けられない事情で、俳優の配役が変わったり、登場場面が修正されたりするのは珍しいことではない。

映画制作中にさまざまな理由から、俳優が交代するのも珍しくない。

しかし、生きている俳優が完成した映画から降板させられ、別の俳優が同じ場面を撮影し直すのは、ほとんど前例がない。

映画の公開時期にこれほど迫っている時期に、予告編にもたっぷり登場する俳優が交代させられるのは、ますます珍しい。

確かにウディ・アレン監督は1987年の映画「セプテンバー 」で、複数の俳優を入れ替え、映画を最初から撮り直した。

ただしそれは、アレン氏が最初の出来に不満で、撮り直そうとしたところ、一部の俳優が撮影に参加できなかったからだ。

スペイシー氏は、「All the Money in the World」の撮影に2週間しか参加しなかったので、撮り直すのは比較的簡単かもしれない。

しかし撮り直しには費用がかかるし、参加する俳優も1人だけでは済まない。例えば予告編の中には、スペイシー氏演じるゲティが多くの記者団から大股で歩いて去っていく場面がある。

スペイシー氏が出ていようがいまいが、スコット監督のこの映画はすでに悪評を集めている。それだけに今後も、世間の注目を集め続けるだろう。

1973年のジョン・ポール・ゲティ3世誘拐という有名事件を描いた映画だというのも、一連の話に新たなひねりをもたらした。

(英語記事 Kevin Spacey: Completed film to be reshot without accused actor

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