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AI失業時代 9割の人はAIをサポートする低賃金労働従事へ


【AIでトレーダーなどの「エリート職業」が消えるかも(写真:AFLO)】

 10月28日、みずほフィナンシャルグループ(FG)が今後10年で1万9000人分の業務量削減を検討していることが報道されると、三菱東京UFJ銀行が約9500人、三井住友FGは約4000人相当の業務量を減らす方針であることが相次いで報じられた。

 3行合わせて3万3000人の「銀行員の仕事」が消える──。過去の「クビ切りリストラ」と違う点は、3行ともAI(人工知能)などの活用によって人員や業務のスリム化を図るとされていることだ。

 今はまだAI失業の黎明期に過ぎないが、これから驚くべきスピードでAIが人間の雇用を根こそぎ奪っていく「未来」も予想されている。

「2025年から2035年までに日本の労働力人口のうち、約49%の就く仕事がAIやロボットで置き換えられる」

 これは、2015年12月に発表された野村総合研究所と英オックスフォード大学による共同研究結果だ。

 まず、2025年には自動運転車の実用化が始まるとされ、それと同時にドライバーという仕事がなくなる可能性が指摘されている。その5年後にはさらに大きな変化が訪れる。「社長を除く中間管理職以上の役職が必要なくなる」という。AIと雇用問題の関係について詳しい駒澤大学経済学部准教授・井上智洋氏の話。

「囲碁の世界チャンピオンを倒したグーグルの『アルファ碁』などは特定の問題に特化した“特化型AI”ですが、幅広い問題に対応できるAIを汎用AIと言います。同AIは2030年には実用化されると言われており、そこからAIに仕事を取って代わられるスピードは加速度的に進みます」

 1人1人の社員の個性と部署の特徴を総合的に分析して人事判断を下したり、企画を立案するような仕事にも対応できるレベルに達するという。

「そうなると現在30人規模の会社なら社長1人で経営できるようになるかもしれません」(同前)

 2035年頃には手足など身体機能を持った「汎用AI搭載ロボット」の実用化が期待されている。アマゾンなど通販業界の工場で行なわれている仕分け作業や在庫管理などをこのAIロボットが担うと予想されている。

 次にこれまで高度な技術が必要だった心臓バイパス手術など、外科手術もより精緻な動きが可能なAIロボットが代替していくという。職人技を持つ熟練外科医でさえ、失職の可能性があるというのだ。

「2045年には現在のあらゆる仕事のほとんどをAI・ロボットが行ない、人口の1割ほどしか働いていない未来も予測されます。

 会社経営者や作家や芸術家、高度なホスピタリティを持った看護師やホテルマンなど、AIとの競争に打ち勝った1割は高収入を独占的に享受する。残りの9割の人間はたとえ職を持っていたとしてもAIのサポート業務など、低賃金の仕事に甘んじざるを得なくなるでしょう」(同前)

 メガバンクによって突如もたらされた「AI失業時代」は、超・格差社会到来の合図なのか。

※週刊ポスト2017年11月17日号

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