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おしゃれNPOさんの悪夢

■劣化する支援

先日「劣化する支援」というイベントを行ない満員御礼大盛況だったのだが(「劣化支援」のアセスメント11)、そこで出てきたキーワードの1つが「おしゃれNPO」だった。

おしゃれもNPOも別に悪くはないが、その2つの合成語がイメージする1つの現実に、NPO的ソーシャルセクターな人々は頭を抱えている。

それらおしゃれNPOさんたちは、専門知識がないのに子ども若者支援業界にいる。
いや、専門知識はあることはある。それは、アートの専門知識だったり建築の専門知識だったりするだけだ。

そうしたアートの専門家たちがなぜか若者支援業界に入り込んで来ている。

また、「地域」的に専門ではないNPOが、自分のローカルとは別のローカルに「落下傘的に」やってきて事業を展開している。

それは「流行り」の貧困支援だったりするのだが、流行り所以に行政予算や民間の寄付予算が潤沢に用意されている。

その予算に吸い寄せられるように、自分の専門エリアではない地域で(つまりは人脈もないエリアで)事業展開する。

専門でもなく地域も別なところに進出する。
その進出するNPOたちの前線にいる人々が、「おしゃれNPOさん」という善意の塊ではありつつ独特の暴力性を携えた人々だ。

■単純化と排除の暴力

この暴力性とは、単純化と排除の暴力だ。

若者支援でいうと、若者支援を受ける大半は就労支援ではない。

その出発点は就労支援ではなく、コミュニュケーション支援であったり日常生活支援(調理や睡眠調整等)だったりする。

つまりは「ひきこもり支援」なのだが、ひきこもり支援ジャンルでは残念ながら予算はつかない。
やはり、社会保障を担う労働者を1人でも育成する就労支援に予算はつく。

だから世の中の若者支援は、日常生活支援でも発達障害支援でもなく、まずは「就労支援」となる。

この、就労支援への単純化、これを疑問なく受け入れ事業化できる人々は、専門外で且つスピリットだけは「若者をなんとかしたい」と思っている人々になる。

これが、おしゃれNPOさんたちだ。

■想像の貧困

排除とは、言い換えると、「真の当事者」への想像の貧困ということだ。

真の当事者は、決しておしゃれNPOさんたちの前に留まらない。一度か二度現れるが、「違う」と判断して二度と近づかない。

幸いにも(残酷にも)社会参加に苦労する若者は数十万単位で存在する。多少の若者がこぼれ落ちても、支援する側はまったく困らない。

行政への数字的報告も、まったく困らない。

そうやって排除され潜在化された若者たちがどれだけ多いことか。
この、罪作りな排除の中心にいるのが、おしゃれNPOさんだというのだ。

どうやらこれは若者支援業界だけではなく、女性支援、特に風俗業界に無理矢理追い込まれた女性を支援する業界でも起こっている事態のようだ。

おしゃれNPOさんたちに悪意や戦略性がないだけに、困ったちゃんぶりは加速する。
かといって旧来の福祉業界のノリも閉塞的すぎ、実は今の支援業界は、危険な領域にある。

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