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てるみくらぶ山田社長、「嘘に嘘を重ねた」が「詐欺ではない」

 11月6日、午後2時から「てるみくらぶグループ」の債権者集会がメルパルク東京ホール(東京都港区)で開催された。

 500人を超す債権者が参加した債権者集会は、東京地裁から破産開始決定を受けた(株)てるみくらぶ(TSR企業コード:296263001、東京都)、(株)自由自在(TSR企業コード:296575437、東京都)、(株)てるみくらぶホールディングス(TSR企業コード:298593343、東京都)の3社の破産手続きの一環で開催された。

 今年3月の破産時の会見以来、表舞台から姿を消していた山田千賀子社長が7カ月ぶりに債権者の前に立った。

 黒ジャケット姿の山田社長は終始うつむき、時おり涙ぐみながら「ご迷惑をお掛けし、お詫びが遅くなり申し訳ございません」と謝罪。「嘘に嘘を重ねた。売上至上主義で赤字になった」と破産理由を話し始めた。

 質疑応答では「こんなに被害者がいるが、山田社長の生活状況はどうだったのか」と怒りを滲ませた声も相次いだ。山田社長は言葉を詰まらせ、うつむいたまま質問に答えられず、破産管財人が代わりに答える場面もあった。東京地裁の裁判官のほか、山田社長や申請代理人の柴原多弁護士、破産管財人の土岐敦司弁護士らが出席し、破産管財人による破産手続きの説明、質疑応答を経て、午後3時30分に散会した。

債権者集会に集まる報道陣
債権者集会に集まる報道陣

破産管財人による破産手続きの説明

 破産管財人の土岐弁護士が、てるみくらぶグループの経営実態、破産に至った経緯、資産状況などを説明した。

 破産管財人は「格安航空会社の台頭や航空会社からの手数料収入の減少。航空機の小型化、訪日外国人旅行客の急増、大幅円安の影響などで格安の航空券の大量仕入れが難しくなった」とした上で、「売上を増やすため、赤字販売と認識しながら販売を継続した」と指摘した。

 また、「2013年4月に月次の粗利益がマイナスとなり、2014年9月期には債務超過に陥っていた」との調査結果も明らかにした。

 さらに、「2011年9月期と2012年9月期は売上を計上しない方法の逆粉飾決算を行い、2013年9月期からは費用の取り消しや架空利益の計上による粉飾決算を行っていた」と粉飾決算の手口を公表した。

 てるみくらぶの税務申告書上の2016年9月期の貸借対照表では、修正前は4億6,000万円の資産超過だったが、修正後は143億2,600万円の債務超過だった。

 破産管財人によると、「決算を修正して過年度の更生請求等による税金の還付が認められると、配当の可能性もある」という。だが、「配当実施時は債権調査のための人員配置や体制の整備が必要」で、「現時点ではどの程度の配当が可能であるかは明らかにできない。配当の最大化を図るよう適正迅速に管財業務を進めていく」(破産管財人)と語った。その後、自由自在やてるみくらぶホールディングスについての説明、各破産会社の財産目録や収支計算書の説明がなされた。

 次回の債権者集会は、2018年5月28日午後2時から予定されている。

主な質疑応答

 破産管財人の説明後、午後2時15分から質疑応答が始まり、3時30分に終了した。

 山田社長が回答した主な質疑応答は以下の通り。

Q.赤字販売を認識していたのなら(経営の)見通しが立たなかったのではないか?

A.皆さまにご迷惑をお掛けした。お詫びが遅くなり申し訳ない。赤字にしたかったのではなく悪循環から売り上げが伸びず、嘘に嘘を重ねた。売上至上主義もあり赤字となった。

Q.会社の行く末をわかっていたのか?

A.円高が続いた時は黒字だったが、円安になり赤字になった。加えて、航空会社の販促金が減り、結果として原価が高くなり赤字になってしまった。

Q.粉飾や前払いビジネスに犯罪性は?

A.粉飾はIATA(国際航空運送協会)の資格を守るためにした。なんとか会社の形をキープしたかった。

Q.インターネットができないシニア層を狙った詐欺ではないか?

A.格安競争にあるネットからシニアビジネスに変えていけばチャンスがあると思った。大手のやらない隙間を狙った。お客様のために日々やってきた。

Q.役員報酬を(年間)3,000万円もらって、社長の生活はどうなっているのか?

A.社長個人も破産している。財産を調査したが、みるべき資産はない(社長は俯いたまま答えられず、代わって破産管財人が回答)。

Q.破産をわかっていて振り込ませたのか?

A.詐欺は思ったこともない。交渉を続けたが、破産になってしまった。

Q.社長は数億円を蓄財しているのではないか?

A.会社の状況で報酬がゼロに近い時もあった。ずっと高額報酬を受け取ったわけではない。

 管財人らが対応した主な質疑応答は以下の通り。

Q.税金の還付はいくらか?

A.過去5年間の決算を修正する。2012年9月期は逆に5,000万円の納税が発生するが、総額では1億9,000万円の還付で当局と調整している。

Q.粉飾の手口は?

A.決算を閉める段階でマイナス(赤字)を資産に振り替えて利益を出していた。

Q.アイ・トランスポート(株)(TSR企業コード:291884504)に4億円を貸しているのか?

A.同社は休眠中。かなりの債権者がいるが資産は数百万円しかない。

Q.詐欺ではないのか?

A.資料は捜査機関に渡しているので立場上、答えられない。

 楽しみにしていた旅行を台無しにされた債権者は悔しさを晴らす場もない。そんな気持から、「嘘泣きをしている」、「詐欺ではないのか」など、厳しい言葉を山田社長にぶつけた。債権者の言葉が飛び交うたびに会場は拍手につつまれ、債権者の憤りは7カ月を過ぎても収まっていないことを浮き彫りにした。

 山田社長は粉飾決算や赤字販売を続けたことは認めたが詐欺は否定した。だが、破産管財人や申請代理人は「捜査機関に資料を提供している」と語り、山田社長に刑事責任の追及が進むか予断を許さない状況になってきた。

 (東京商工リサーチ発行「TSR情報全国版」2017年11月8日号掲載予定「Weekly Topics」を再編集)

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