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銀行のAI失業 エリートが担う中枢業務こそAIの得意分野

【エリート銀行マンの仕事がなくなる日が来るかも(写真:時事通信フォト)】

 10月28日、みずほフィナンシャルグループ(FG)が今後10年で1万9000人分の業務量削減を検討していることが報道されると、三菱東京UFJ銀行が約9500人、三井住友FGは約4000人相当の業務量を減らす方針であることが相次いで報じられた。

 3行合わせて3万3000人の「銀行員の仕事」が消える──。過去の「クビ切りリストラ」と違う点は、3行ともAI(人工知能)などの活用によって人員や業務のスリム化を図るとされていることだ。

 旧富士銀行(現みずほ銀行)行員で『銀行員 大失職』などの著書がある経営コンサルタントの岡内幸策氏は、銀行員の「AI失業」はこれから本格化すると見る。

「銀行員の仕事は今後、次々とAIに取って代わられます。預金・振り込みなどの窓口業務の多くはすでにATMに移行していますが、今はまだ対面で処理されている納税事務なども近い将来にデジタル化されるでしょう。すでに一部の店舗ではヒト型ロボット『ペッパー』による接客が行なわれています」

 その波は事務系の業務にとどまらない。むしろ総合職のエリート行員が担ってきた“銀行の中枢業務”こそAIの得意分野だとする見方もある。

「銀行員の“職人芸”といわれた融資審査では判断基準のマニュアル化が進んでおり、今や担当者がコンピュータに数値を打ち込むだけで融資の可否が判断できるほど。融資先の財務状況の分析や業績変動要因の予測については、AIのほうが人間より的確で厳格に行なえるようになるといわれています。

 また、信託部門についても、顧客のニーズを初めにデータとして取り込むことができれば、AIが年金、不動産、土地など、それぞれの顧客に合った最適な資金運用を提案することができるようになる。取引先とのマッチングやM&A仲介などもAIが得意とするところ。人事評価や人材斡旋も客観的な判断で瞬時に実行する時代がやってきます」(同前)

 しかし、それほど簡単にAIに“職場”を奪われるものなのか。40代メガバンク行員は疑問を呈す。

「融資などのマニュアル化が進んでいるのは事実ですが、すべて機械的に審査するだけでは正しく判断できないことも多い。相場は心理によって動くこともあるので、顧客の心に寄り添って読み取ることはこれからも必要であり続けるはずです」

 だが、世界の金融をリードする米国では、こんな事態が起きている。

 今年1月、米ゴールドマン・サックスCFO(最高財務責任者)・マーティン・チャベス氏が、「2000年に600人いた株式トレーダーは、2人だけになった」と公表した。代わってトレーディングを行なっているのは、自動株式売買プログラムだと明かしたのである。

 年間数億円もの報酬を稼ぐ敏腕トレーダーが行なっていた“天才的な判断”より、AIの“機械的な分析”のほうが優れているという明快な理由だった。

※週刊ポスト2017年11月17日号

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