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保育現場からの悲鳴に耳を傾けよ

 先の衆議院総選挙において、安倍総理は「全世代型社会保障」の充実を訴えて安定多数を確保し、第4次安倍内閣のスタートを切った。これまでの高齢者向け社会保障に加えて、若い世代への投資を重視する画期的な政策である。現下の超少子高齢化と人口減少に対抗して、我が国が将来とも活力を失わないための切り札とも言える。

 具体的にはまず幼児教育や保育の無償化だが、3~5歳児については完全無償化、0~2歳児については低所得者の無償化を目指す。待機児童対策も前倒しして、今後三年間で32万人分の保育ニーズに対応する。さらには高等教育やリカレント教育についても低所得者に対していは無償化を図る。介護人材の処遇改善なども加えて、総額約2兆円規模の大事業となる。

 一方その財源については、1.7兆円は2年後に予定する消費税2%増税の一部を充て、3000億円は財界からの拠出を期待して、安倍総理が榊原経団連会長に要請した。将来世代にツケを回さない点で教育国債よりはましな財源だが、3000億円分については党内議論も行われておらず、また「子ども保険」との整合性も曖昧なままである。その提唱者である小泉進次郎議員が怒るのもよく分かる。

 さらに問題は保育の現場である。各保育所や認定こども園では国策により、定員ギリギリの児童を受け入れているが、保育士の不足が常態化している。また厳しい職務内容に比べて待遇が低いため、離職者が多く新規参入も少ない。どんなに器を作っても人材が確保されなければ、保育の質は保てなくなる。

 我々は今後保育所の増設ばかりでなく、保育士の要請から処遇改善まで、保育人材の確保に向けた政策パッケージをきちんと用意して、保育現場からの悲鳴に応える必要がある。

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