記事

【読書感想】バカ論

1/2

バカ論 (新潮新書)バカ論 (新潮新書)

Kindle版もあります。

バカ論(新潮新書)バカ論(新潮新書)

内容(「BOOK」データベースより)
相変わらずバカがのさばる世の中だけど、これ以上、黙って見ているのはゴメンだね―。「男女の関係はあったのか?」なんて間抜けなことを聞く芸能レポーター、「この責任をどう取るつもりか」と偉そうに語るコメンテイター、「やりたい仕事が見つからない」と口先で嘆くだけの若者…。迷惑なバカから笑えるバカ、愛すべきバカまで、バカを肴に芸論や人生論を語り尽くす。原点回帰の毒舌全開、ビートたけしの「バカ論」!


 ビートたけしさんの著書、というか、たぶん聞き書きだと思うのですが、たけしさんがいろんな「バカ」をメッタ斬りしていくところは痛快ながらも、まあ、そんなに目新しい話でもないな、という気がしました。

 なんのかんの言っても、たけしさんも、もう70歳。
 現役で大活躍されているとはいえ、ちょっと古い考えなのでは、と感じるところもありますし、周りも、あまりにも大物過ぎて、遠慮してしまうところもあるのではないかと。

 (「一応総活躍社会」なんてうたいながら)それで今度は「働き方改革」だから参っちゃうね。一体、「もっと働け、活躍しろ」ということなのか、それとも「あまり無理をせずに、もっと休みましょう」ということなのか、どうもやりたいことがよくわからない。

 ブラック企業が問題になったり、電通の新入社員が「過労死」したりして、残業や待遇など労働環境をあらためましょう、というのが「働き方改革」。 

 でも所詮、絵に描いた餅に過ぎない。

 そのために役人が考えたのが、「月末の金曜日は仕事を早く切り上げよう」という「プレミアムフライデー」とか、休暇を分散しようという「キッズウィーク」とか、わけのわからないものばかり。やっぱり役人はズレているとしか言いようがない。
「プレミアムフライデー」なんて、もっともらしい横文字を使っているけれど、要は仕事を切り上げて、その分、財布の紐を緩めて金を遣わせようという魂胆だろう。飲食業界や旅行業界が、もっともらしい理屈を作って、役人と結託して考えたとしか思えない。

「もっと休みましょう。もっと遊びましょう」とか、余計なお世話だ。いくらそんな号令をかけても、貧乏人は貧乏人のまま。休みが増えてしまったら、より貧乏になるだけ。なんで「もっと働かせろ。俺たちも活躍したいんだ」というデモが起きないのか、不思議でならない。

 それなのに、新橋あたりで夕方から飲んでるサラリーマンを捕まえて、「プレミアムフライデー最高!」なんてニュースでやっているけど、バカ言ってんじゃないよ。そのビールを運んでいる奴は、ヒーヒー言って働いてるわけでさ。



 この「プラミアムフライデーって言っても、人が『遊ぶ』ためには、その遊び場で仕事をする人が必要になる」っていうのは、たしかにそうだと思うんですよ。
 ただ、この本を読んでいると、たけしさんというのは、ずっと仕事や勉強や遊びに没頭し、1日3時間くらいしか寝なくても平気、という人みたいで、ナポレオンみたいなワーカホリックというか、大部分の人と「時間の使い方」とか「疲れ」の感覚が違う人なのだということがわかります。
 だから、たけしさん基準での「働きかた」を受け入れられる人のほうが少数派なんですよね、たぶん。  

 この本を読んでいて面白かったのは、たけしさんが「バカ」に毒舌を浴びせる部分よりも、人生相談や思い出話などで、「素に近い面」がにじみ出ているところでした。

 最近は弟子になりたい。芸人になりたいという奴とあまり話す機会も少なくなったけど、それでもたまに「どうしたら漫才師になれますか?」なんて聞かれることがある。
 バカ言ってんじゃない。

 漫才師になるために金を払って学校に入る奴もいるけど、おいらの場合は、流れ着いたところがたまたま芸人だったというだけ。結果的に漫才師になっただけで、なろうと思ってなったわけじゃない。

 大学の機械工学科でレーザーの研究をやろうと考えていた男が、なんで漫才師になったのか--それをまともに説明できる理由なんか、いくら考えてもないんだ。

 挫折して挫折して、折れて折れて、辿り着いたのが浅草で、そこで偶然漫才師になった。おいらはそうやって流れ着いたけど、時代も状況も文脈も違う奴らに「どうすればなれますか?」と聞かれても、答えようがない。



 これって、真摯な答えだと思うんですよ。
 「どうしたらなれますか?」って、芸能の世界には、資格や入社試験があるわけではない。
 たけしさんが、こんなふうに自身で、大学をドロップアウトしてから、浅草フランス座を経由し、漫才師になるまでのことを自分で語るのことって、あんまりなかったような気がするんですよ。
 それぞれの瞬間には、それなりの「理由」があったのだとは思うけれど、「偶然」そうなってしまった、というのが事実なのでしょう。
 もともと、「大学の機械工学科でレーザーの研究をやるつもり」だったのか、たけしさん。


 たけしさんからみた、タモリさんや鶴瓶さん、そして、明石家さんまさんというのも書かれているんですよ。
 ここまで率直に、他の大物芸人のことを語るのか、と驚きました。

トピックス

ランキング

  1. 1

    よしのり氏「杉村太蔵見直した」

    小林よしのり

  2. 2

    貴ノ岩叩きで手の平返すマスコミ

    キャリコネニュース

  3. 3

    三田佳子次男 元乃木坂に暴行か

    女性自身

  4. 4

    小池氏の辞任劇は「死んだふり」

    NEWSポストセブン

  5. 5

    ユニクロの闇は日本企業の行く末

    fujipon

  6. 6

    朝日新聞は憲法改正の認識が甘い

    小林よしのり

  7. 7

    「アベ辞めろ」入らぬ流行語大賞

    NEWSポストセブン

  8. 8

    大阪市長の正論を非難する朝日

    木走正水(きばしりまさみず)

  9. 9

    板尾不倫騒動 ラブホ=SEXは古い

    メディアゴン

  10. 10

    希望 支持率2.7%で下げ止まらず

    三浦博史

ランキング一覧

ログイン

ログインするアカウントをお選びください。
以下のいずれかのアカウントでBLOGOSにログインすることができます。

コメントを書き込むには FacebookID、TwitterID のいずれかで認証を行う必要があります。

※livedoorIDでログインした場合、ご利用できるのはフォロー機能、マイページ機能、支持するボタンのみとなります。