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人権侵害や差別を、思考停止で受け入れさせることが「教育」なのか~大阪府立高校の黒髪強制

日本の学校教育は「管理教育」であると常々批判されてきましたが、ここまで来るとその範疇を超えています。この激しい人権侵害は、刑事罰相当の域に達すると思います。

「髪染め強要で不登校」高3、大阪府を提訴

https://mainichi.jp/articles/20171027/k00/00e/040/327000c

「頭髪生まれつき茶色」

 頭髪が生まれつき茶色いのに、学校から黒く染めるよう強要され精神的苦痛を受けたとして、大阪府羽曳野市の府立懐風館(かいふうかん)高校3年の女子生徒(18)が約220万円の損害賠償を府に求める訴えを大阪地裁に起こした。27日に第1回口頭弁論があり、府側は請求棄却を求めた。生徒は昨年9月から不登校になっており、「指導の名の下に行われたいじめだ」と訴えている。

訴状などによると、生徒は2015年4月に入学。中学時代に黒染めを強要されて嫌な思いをしたため、母親は「高校では同じことがないよう配慮してほしい」と伝えていた。

 しかし、学校側は生徒の入学後、1、2週間ごとに黒染めを指導し、2年の2学期からは4日ごとに指導。度重なる染色で生徒の頭皮はかぶれ、髪はぼろぼろになった。教諭から「母子家庭だから茶髪にしているのか」と中傷されたり、指導の際に過呼吸で倒れ、救急車で運ばれたりしたこともあった。文化祭や修学旅行には茶髪を理由に参加させてもらえなかった。

 生徒は昨年9月、教諭から「黒染めしないなら学校に来る必要はない」と言われ、それ以降は登校していない。高校は今年4月、生徒の名前を名簿から削除。他の生徒や保護者には、退学したと虚偽の説明をしたという。

 学校側は生徒の代理人弁護士に「たとえ金髪の外国人留学生でも規則で黒染めさせることになる」と説明している。

 府教委高等学校課と同校は取材に、「係争中なので答えられない」と話している。【遠藤浩二】

地毛登録制度導入の学校も

 複数の大阪府立高校では、頭髪が生まれつき茶色い生徒に誤った指導をしないように、「地毛登録」と称する制度を導入している。登録自体を問題視する声もあるが、府教委は「導入は各校に任せており、実態は把握していない」としている。

 ある府立高では、約10年前から制度を始めた。地毛が茶色い生徒は入学時に色合いを計測し、数値化して登録し、色の変化がなければ指導しないという。1学年に10人ほど登録する生徒がおり、校長は「生徒の人権を守るためにも制度を続けている」と話す。

 訴訟を起こした女子生徒の母親は入学時、「地毛登録制度があるなら申請したい」と訴えたが、懐風館高校は導入していなかった。

 東京都でも、都立高校の一部が「地毛証明書」を提出させ、頭髪の色が生まれつきかどうかを確認している。幼少期の写真を求める学校もあるといい、都教委は7月、「届け出が任意であることを、生徒保護者に明確に伝える」ことを全191校に通知した。【遠藤浩二】


時代錯誤な人権侵害はさすがに海外でも報道されたようです


ええ、もうどんどん世界中に広まっちゃってください。

そもそも生来の髪の色を否定して黒く統一化させることに、どんな合理的な教育上の理由がありますか?

そんなものは一切ありません。

あるわけないじゃないですか。

生来の髪色を否定するというのは、個人のアイデンティティの否定です。

その子が生まれ持ったあるがままの自分でいることを問答無用で悪と決めつける人格否定です。

これが人権侵害でなくて何でしょう。

海外の学校で例えるなら、黒人の子どもは肌の色素を抜いて、あるいはストレートパーマをかけないと登校させない、と言ってるのと同じです。海外の学校でこんなことをやろうものなら、人種差別、人権侵害として凄まじい騒ぎになりますね

この生徒さんは地肌も髪もぼろぼろになりながら(年頃の子にはさぞつらかったでしょうね)理不尽な命令に従ったのに、「母子家庭だから茶髪にしているのか」とか、文化祭や修学旅行には茶髪を理由に参加させてもらえなかったとか、差別と虐待の壮絶さに絶句します。

「母子家庭だから茶髪にしているのか」という発言は許すことはできません。学校側に母子家庭に対する差別、蔑視感情があるから、学校側の「いじめ」もここまで壮絶に発展したのではないかと疑います。

この学校は金髪の留学生だって黒髪にさせると勇ましいことを弁護士に言ったらしいですが、実際にはそんなことする度胸はないでしょう。こういう類の人間は、母子家庭のような弱者には居丈高ですが概して「金髪白人」に弱いですし、猛抗議されて国際問題になるのを恐れるでしょうから。

彼女が受けた心の傷は計りしれません。

心の傷も傷害罪になりますから、是非刑事事件として訴追すべき案件だと思います。

どんな髪型にするかなんて子どもに自己決定権があります。

仮に百歩譲って、髪を染めるのはダメだという校則を認めるとしましょう、だったら何故学校は彼女には染めろと言うのでしょう。ダブルスタンダードもいいところです。

大阪府は裁判を受けて立つ姿勢だとか。自分たちは間違っていないという認識なのですね。

大阪府は人権感覚が絶望的に欠如しているようです。

さて、カラーリングやパーマ禁止は勿論、女子は髪が肩に届いたら結ぶこと、スカート丈は膝下何センチ、などのうるさい拘束、じゃなくて校則はこの大阪府立高校に限らず昔からあります。ウィキペディアによれば男子の丸刈り校則は1985年でなんと全国の3分の1の中学校にあったとか(!)

理不尽な校則を一方的に学校側が頭ごなしに守れと押しつけてくる「管理教育」は、戦前から現在に至るまでずっと存続しています。27年前の1990年には痛ましい女子高校生の校門圧死事件もありましたが、教育現場はそこから何も変化していないのではないでしょうか。

何の合理性もない理不尽な校則を押しつける管理教育下において養われるのは、どんな人権侵害や不正にも思考停止で従う「臣民メンタリティ」です。

管理教育が浸透しきった学校では、大人子ども先生生徒関係なく、全て個人は一人一人は個人として尊重されるべき存在であること、侵すことのできない人権の享有主体であることなんか教えないし、それを実感できることもないでしょう。

こうやって理不尽なことに盲従し管理されることになれてしまうと、抗議すべき人権侵害が起きた時に、これは人権侵害なのだと認識することすらできなくなります。そもそも人権や民主主義とはなんなのかを知らずに大人になってしまうのです。

ブラック企業や全体主義国家が喜びそうですね

学校では憲法も基本的人権も適用外。卒業して就職した職場でも適用外。

じゃあ一体憲法は日本のどこにいけばあるのでしょうか。

自分は個人として尊重されるべき存在であることを体感できなければ、人権や憲法を深く理解できるようにはなれません。

そういう市民ばかりになったらせっかくの憲法も空文化し、人権も民主主義も形骸化するの必至です。

いわゆる「新しい酒は新しい革袋に入れよ。新しい酒を古い革袋に入れたら革袋は破れ、酒が台無しになる」です

(むろん「新しい酒」とは戦後上から賜った民主主義と世界一先進的と言われる日本国憲法を指します)

既に現在進行形で「新しい酒」は台無しになりつつあります。

日本の学校教育は多かれ少なかれ戦後もずっとこうだったし、今も拍車がかかっています

国自体がおそろしく極右化し、さらに子ども達はこんな育てられ方をしている日本が近い将来どうなるか、国際社会はどう見てるでしょうか

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