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昆虫オタクの夫「虫は子ども同然」――現代に蘇る生類憐みの令、将来の子ども部屋を飼育室にされた妻の思い

これまで、ガンプラ収集鉄オタと、夫の趣味に困惑する妻の思いを綴ってきました。そして今回は、夫の"昆虫趣味"に迷惑する妻、猪田紗英さん(仮名/38歳)のお話をお届けします。

紗英さんがご主人と結婚したのは今から10年ほど前。結婚前からご主人の昆虫好きを知ってはいましたが、紗英さんが虫嫌いなことをご主人も理解していたため、「生活に影響することはないだろうと思っていた」と言います。ところが……。(取材・文:千葉こころ)

虫を殺すのは禁止、カナブンが死んでさらに面倒な事態に

虫愛好家の夫と、虫嫌いの妻
虫愛好家の夫と、虫嫌いの妻

ご主人の転勤を機に結婚し、自然豊かな地で新婚生活をスタートさせた猪田夫妻。「虫が大の苦手」という紗英さんにとって望ましくはない環境でしたが、なるべく街寄りのエリアに気密性の高い新築マンションを借り、町内会の集会や急な買い出しなど、夕方以降の外出はすべてご主人が担うなど、紗英さんが虫と遭遇することのないように配慮してくれたと言います。

「夫の昆虫趣味は理解できませんでしたが、一緒にいるときは虫に遭遇しても守ってもらえるので、当時は頼もしく感じていたくらいです。ただ、ひとつだけ我慢できないルールがあって……」

家に虫が出ても「殺さない」というのが、結婚時にご主人から提示されたルール。「君が虫嫌いなのはわかっている。でも、彼らだって生きているんだ。君の好き嫌いだけで始末するのは酷だと思う」と、21世紀に生類憐みの令が復活したのでした。

「夫が仕事で不在のあいだに虫と遭遇したら、とりあえず買い物などに出て仕事終わりを待ち、一緒に帰るようにしていました。虫を殺さない代わりに家事が滞るのは文句を言われなかったので、外食もできてラッキーなんて思っていたんですけどね」

ところが運悪く、マンションの点検で家を空けられない日にカナブンと遭遇。勇気を振り絞って洗面器を被せ、そのままご主人の帰りを待ちました。しかしご主人が帰宅したころには、カナブンはお亡くなりに……。

するとご主人は、亡骸を手のひらに乗せて優しく撫でながら、「ごめんなぁ」と目をウルウルさせていたのだとか。そして次の日、「次からはこれを被せて」と、半分にカットして小さな穴を無数に開けたペットボトルを手渡されたそうです。

「透明だとバタバタしているのが丸見えだし、ぶつかる羽音は気持ち悪いし、何より、被せるまでがいちばん苦痛だし、生きた心地がしなかったのは虫より私のほうですよ」

「虫のほうが優雅な暮らし」夫の昆虫飼育が招いた離婚の危機

そんな生活に5年耐え、都内への異動で虫三昧の日々から解放された紗英さん。ところが、真の虫地獄はここからだったのです。

「いつか子どもができたときのためにと一部屋を空けていたのですが、ときどき変な音がする気がして。でも、主人は『廊下に面しているからだろ』と言うので納得していたんです。ところが実際は、とんでもないことになっていました」

普段は物置として使っていた将来の子ども部屋。ある日、紗英さんはふと思い立って片付けをはじめます。すると、移動した棚の後ろから、脱臭剤に囲まれた大量の昆虫用飼育ケースが目に飛び込んできたのです! その数なんと30個以上。一つひとつに黒光りする甲虫や得体の知れない虫が納められていました。

帰宅したご主人を問い詰めると、「俺にとっては子どもと同じ。ふたりの子どもはなかなか授からないし、せめてできるまでは飼わせてほしい。君に迷惑はかけないから」と、土下座までして懇願されたそう。

「よくよく話を聞くと、以前の家でも駐車場の奥でひそかに飼育していたらしいんです。私は運転しないので、目につくことはないと思ったみたい。でも、都内に引っ越すタイミングで車を手放したので、置きどころに困って棚で隠していたようです」

それ以降、必要な荷物は別の部屋に移し、その部屋には一歩も足を踏み入れなくなった紗英さん。ご主人はそれをどう理解したのか、昆虫とケースは日を追うごとに増えていき、今では完全に"昆虫部屋"になっているのだとか。

「それほど広い家じゃないので、追いやられた荷物で部屋が狭苦しいだけでもストレスです。なんで虫のほうが優雅な暮らしをしているのか、謎。しかも、夫がドアを開け閉めするたびに土の臭いがしたり、夜中にカサコソ音がしたり、ときどき脱走してくることもあって、我慢も限界。本気で離婚を考えています」

なかには高値で取引される昆虫もいるそうで、「離婚前に売りさばいて、慰謝料にしようかと考え中」だそうです。

 

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