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日銀の異次元緩和は本当に必要であったのか

 総務省が10月27日に発表した9月の全国消費者物価指数は総合前年比プラス0.7%と8月と変わらず、生鮮食品を除く総合指数(コア)で前年比プラス0.7%とこちらも8月と変わらず。生鮮食品及びエネルギーを除く総合(コアコア)で前年比プラス0.2%とこちらも8月と変わらずとなった。

 コア指数は9か月連続で前年比プラスとなったものの、いまだ日銀の物価目標の2%に届く気配はない。生鮮食品及びエネルギーを除く総合がプラス0.2%程度に低迷していることからもわかるように、コア指数を引き上げているのは引き続きエネルギー価格の上昇によるものであり、ここに日銀の異次元緩和の影響が出ているわけではない。

 エネルギー関連では電気代、ガス代、灯油、ガソリンなどの上昇が影響を与えている。コア指数に関してはこのようにエネルギー価格の影響を受けやすいことがわかる。当然ながら、日銀が大量に国債やETFを購入すれば原油価格が上昇するわけではない。

 2012年12月の衆院選で出てきたアベノミクスは、急激な円安と株高のきっかけとなったことは確かであり、円安効果も加わりその後の消費者物価指数の上昇も招いた。しかし、それが円安や消費増税に伴う駆け込み需要による一過性のものであったことも確かであった。

 さらに日銀は異次元緩和によって円安を招いて物価を上昇させるとの見方について、総裁自身がそれは目的としていないと発言していた。ドル円の125円が黒田ラインと呼ばれているのも、それが影響している。

 大胆な緩和策が物価上昇を招いて、雇用など含めて景気も回復するというのが、そもそものアベノミクスの目的であったはずである。ところが物価はいつまでたっても目標には届かず、しかし雇用は回復し低成長ながらも景気も回復基調となっている。これは米国などの景気回復に助けられている面も当然ある。日銀の異次元緩和がなければ、ここまで日本の景気は回復しなかったとの意見もあるが、異次元緩和の効果のほどは物価を見る限りは疑わしい。果たして物価を上昇させられなかった日銀の異次元緩和は本当に必要であったのであろうか。

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