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野党再編の行方 - 当面は55年体制のようなものが復活するかもしれない

衆議院総選挙後の野党の動向を見定めてから投稿しようと思っていたら、選挙から一週間以上が経過してしまった。衆議院選挙は事前に予想された通り、自公が2/3を超える議席を獲得し勝利した。

一方で、野党では立憲民主党が55議席を獲得し野党第一党に躍り出たが、希望の党は選挙前議席の57さえ下回り、50議席にしか届かなかった。また、野田前首相や岡田元副首相ら民進党籍を持ちながら無所属で出馬した前職の多くは再選された。

今回の自公の勝利は、言うまでもなく野党が分断された結果である。単純多数決小選挙区制においては、40%近くの支持率を得ている与党連合が各選挙区において候補を一本化しているにも関わらず弱小な野党が候補を一本化できなかったら、ほとんどの選挙区で与党連合が勝利するのは目に見えていた。一方で、今回の選挙戦における野党側の唯一の勝者が立憲民主党となったのは、中道右派(保守系)与党に対抗する野党の中心的存在になるのは中道左派(リベラル系)でしかないことが立証された結果だったといえよう。

選挙後の情勢については、立憲民主党が今のところ団結を保っている一方で、希望の党と民進党は混乱の極みにある。希望の党は、衆議院選挙に出馬しなかった代表の小池百合子東京都知事以外の役職が全く決まっておらず、さらに(現在も)党の公式ホームページに党本部の住所・電話番号が記載されていないという信じられない対応をとっていた。

選挙での敗北を受けて小池代表が国政から身を引くことを表明したものの、国政担当の責任者も決められず、当選回数が多いという理由だけで閣僚経験がなく知名度も高いとは言えない渡辺周衆議院議員を首班指名候補に決定した。本当に国民をなめているというか、組織としての体をなしていない。一方の民進党であるが、無所属で衆議院選に臨み当選した議員も含め両院議員総会が開かれ、前原代表が即時辞任を否定したことで大荒れとなった。結局、前原氏は30日をもって辞任となり大塚耕平元副厚労相が新代表となったが、新代表の任務は残務処理的な側面が強いだろう。

政党合併を目指すべきではない

では、今後野党がどうなっていくかについて、以下に私見を述べる。できるだけ客観的に書いたつもりだが、個人的主観(願望)が抜けていないかもしれない。まず、野党がこのままの状態で次期衆議院選挙を迎えるとは考えにくく、何らかの形で再編が進むだろう。野党再編は立憲民主党を中心勢力として進むことは間違いない。

ただし、現在のところ同党が「合併」という形の離合集散を拒否していることもあり、同党が関係する政党間の連携・提携は、進んでも政党ブロックとして「統一公約の作成・小選挙区での候補者調整・比例代表における統一名簿の作成」にとどまるかもしれない。これまで戦後に行われてきた政党間合併が自民党以外はほとんど大規模な分裂に終わったことから考えても、私は同党の方針は妥当だと考える。

大きく分けて希望の党は3つに、民進党は2つに分裂?

希望の党については、同党が長く持たないことは予想されるが、大きく分けて①安全保障政策面で保守色が強い同党の設立メンバー(前原氏を含む)、②どちらかといえば保守系ではあるが非自民路線を目指すメンバー、③どちらかといえばリベラルなメンバーに分裂していく気がする。

①に関しては、選挙に強いこともあり自民党が連携を狙ってくるだろう。③は立憲民主党との提携を目指していくだろう。問題は②であるが、彼らは共産党への拒絶反応が強く脱原発に対してもすごく熱心ではなさそうなので、当面はかつての民社党のような立場で臨んでいくのではないかと思われる。民進党にしても、参議院の旧総評系労組出身議員およびリベラル系議員・無所属の会に所属する衆議院議員が立憲民主党との提携を目指し、参議院の製造業系労組出身者(多くは旧民社党グループ)や保守系議員が、希望の党の②との連携を考えていくのではないか。

疑似社会党・疑似民社党が復活するかもしれない

自民党が、憲法改正論議への協力要請を理由にして、党勢が頭打ちになった日本維新の会を取り込もうとすることは目に見えている。社民党と自由党は、よほどのことがない限り立憲民主党との協力関係を深めようとするだろう。

そうすると次期衆議院に向けては、(1)自民・維新・希望の①・公明による保守-中道右派連合、(2)立憲民主・民進の参議院リベラル系・無所属の会・希望の③・社民・自由による中道-リベラル連合、(3)希望の②・民進参議院の旧民社系および保守系、(4)共産党、と4つのグループに分かれるかもしれない。本当にこのように分かれるかは自信がないが、(2)は旧日本社会党、(3)は旧民社党のようなものであり、公明党が自民党と連携している以外は55年体制に戻ったような構図である。

立憲民主党は結党理念をゆがめるような勢力との連携は行うべきではない

仮にこのような構図ができた場合、野党第一党である立憲民主党にとって(3)と共産党のどちらとの連携を優先すべきかが問題となるが、私は引き続き共産党との協力を維持・優先すべきだと考える。理由は簡単で、(3)との協力を強めるほど民進党の復活に近づいてしまうからである。安保法制に反対・脱原発の推進という結党理念をゆがめる勢力との連携は優先すべきではない。

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