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衆院選挙の結果を受けて、日銀の金融政策は変わるのか

10月22日に投開票が行われた衆議院選挙では、自民党が284議席を獲得し、自民・公明両党で313議席となり、与党で定数(465)の3分の2を超えた。当初は台風の目かとされた希望の党は失速し、新たに出てきた立憲民主党が勢いづくものの、結果としては野党同士での票の奪い合いのような結果となり、与党の圧勝となった。

 この衆院選挙の結果を受けて、日銀の金融政策にどのような影響が出るであろうか。そもそも今回の選挙では、アベノミクスの柱である日銀の異次元緩和の影響、それに絡む財政再建に向けた動きについては、ほとんど争点とはなってはいない。

 消費増税を行うとしたのが自民党であり、野党の多くは消費増税反対という立場をとった。その自民党も消費税率10%への引き上げの財源の一部を「生産性革命」と「人づくり革命」の2つの大改革に活用するとしており、基礎的財政収支を黒字化するとの目標は堅持するとしているものの、財政再建については二の次といった方針となっている。

 野党も今回の選挙で財政再建を柱とするような政策を打ち出す政党はなかった。現状は財政問題についてアラームとなるはずの国債は日銀による大量の買入とイールドカーブコントロールによって利回りが押さえつけられていることもあり、今回の選挙に向けた各党の動きをみても、財政規律にやや緩みが生じているようにも思われる。

 今後も安倍政権にとり、財政健全化は無視できないとしながらも、景気回復の持続を可能にするためにも財政出動に頼ることになることが予想される。その意味でも日銀には現状の政策を維持してもらう必要がある。

 日銀にとっては2%の物価目標が達成されていないことで、現状の長短金利操作付き質的・量的緩和を継続させる必要がある。ただし、巨額の国債買入を継続させるためには、ある程度買入額を調整する必要がある。すでに日銀は政策目標を量から金利に移すことで、量については縛られる必要がなくなり、買入の持続性も意識してのステルステーハーリングを行っている。

 問題はこの異次元緩和の持続性であるが、物価目標達成がなかなか難しい状況にあり、いずれ長短金利操作付き量的・質的緩和の調整は必要となろう。しかし、そのタイミングも難しい。金融機関の収益悪化などからマイナス金利政策についても再び批判的な声が強まることも予想される。このあたりの調整は来年4月の黒田日銀総裁の任期満了のタイミングに絡んで行われることも予想される。

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