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人事の制度疲労

三越伊勢丹グループが経営する高級スーパー、「クイーンズ伊勢丹」の株式を三菱系の投資ファンドに売却することが報じられています。首都圏で17店舗展開している中堅どころといったところでしょうか?私も日本ではそばにあるのでたまに覗くのですが、買ったことはありません。

理由はあまりにも客が少なく、「商品が廻っているのか?鮮度は大丈夫か?」といった心配が先走ってしまうのです。すぐそばに開店前に行列ができる野菜を中心に扱う小型店舗があります。ここは新鮮なので客が集まる、だからもっと安く出す、という循環で近辺の同業を淘汰する勢いであります。

高級スーパーの元祖といえば日本初のスーパーともいわれる紀ノ国屋でしょうか?高校時代、青山にあった紀ノ国屋は絶好の探検場所でした。見たことも聞いたこともない商品ばかりが並んでいて「これ、いったいどうやって食べるのだろう」といったものばかり。パンなどの生鮮品もおしゃれでドキドキするものがありました。

最近の高級スーパーの代名詞は成城石井だったと思います。あそこもなかなか面白い商品を取り入れていて一歩間違えば単なる輸入食材店になるところをスーパーとして形作ったと思います。成城石井と紀ノ国屋の違いは店内の広さでしょうか?私の知る成城石井はコンビニのような狭さ。紀ノ国屋はマダムが籠を持たなくてもよいカートで通れる広さを誇り、駐車場完備というのが高級感の出し方の違いの一つだったかもしれません。(違っていたらごめんなさい。)

では、クイーンズ伊勢丹ですが、価格が他店より数割高いのですが、その高い価格を払う価値の見せ方が下手だったように感じます。「商品に手が伸びない」というのが正直な感想です。

あの伊勢丹がやった店なのに、と思っていたのですが、ふと、「人事」かな、という気がします。伊勢丹と言えば新宿店に代表される百貨店の老舗。その一角でマダムを相手に商売をするのが三越伊勢丹マンの誇りでしょう。が、「クイーンズで頑張ってきてもらいたい」と言われたら社員は普通、都落ち、左遷と感じることもあるのではないでしょうか?つまり、高級オートクチュールや世界のブランドものと肉や野菜ではだいぶ違いがあります。

もちろん、本件、伊勢丹に聞いたわけでもありませんし、そのような具体的情報があるわけではありません。が、一般的にサラリーマンはこの人事が会社人生の全て。そこで最前線に出られないのはメンタル的に堪えるものがありそうです。

日本では4月に新入社員として一斉入社。就職にあたり「この会社に入れば俺は、私は、こんなことをして…」という野望と夢と期待に胸を膨らませるのですが、まずもってその希望通りいく人は1-2割いるか程度で残りは「いつかは陽が当たる」とぐっと耐え忍ぶわけです。

そのトップ争いもし烈で一つしかないポジションに「あいつか、こいつか、はたまたあれもいるぞ!」と夜の居酒屋の普遍の話題として欠かせないつまみなのであります。人事の話は社内だけで盛り上がり、女子の洗面所や給湯室での囁き合いからトップがステーキハウスで「〇〇君の件だが…」まで含めて全社的な政(まつりごと)であります。

という私も秘書時代、人事担当常務が会長室に毎日のように呼ばれ、その際に同席する担当副社長次第で「今、あの人の人事の話をしている」と秘書室内でひそひそ話をしていたものです。

人事の制度疲労とは長期雇用を前提にした日本において専門職ならばともかく、総合職の社員の大半のやる気を引き出すのが難しくなってきたような気がするのです。会社は「いるところ」であり、毎日のご飯や睡眠と同じルーティーンワークとなっていないでしょうか?それは大会社が抱えるおびただしい数の子会社、関連会社に「下る」という表現にその根源的問題があると思うのです。

私は以前、このブログで新入社員は全員子会社、関連会社で1-2年仕事をしてそこで成果が上がる者が本体に上がってこれるような仕組みの方がいいのではないか、と提言したことがあります。なぜ、右も左もわからない若者を上部の組織に放り込むのか、このあたりのセンスが私には違和感として残ります。

子会社、関連会社を自分の育ったところとして愛する気持ち、そして頑張って「上に登ろう」という気持ちを育ませることが重要だと思います。(人事部は「それでは新入社員が集まらない」と言い訳するのでしょう。人事部員もサラリーマンですから。)

一般社員レベルにおいても子会社、関連会社の人事はもっと交流させるべきでしょう。「片道切符」という言葉がいまだにあるのか知りませんが、サラリーマンの「悲喜こもごも」は今の時代にはふさわしくないと思います。「能ある鷹はネイルサロンに行く」です。(=爪を隠すなです。)

では今日はこのぐらいで。

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