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【ビットコインの基礎シリーズ】 第5回 リップルの歴史とビットコインとの大きな相違点について

今日、警視庁が仮想通貨関連会社「リップルトレードジャパン」代表を強制捜査したと日経が報じました。

まず断っておきたいのは、リップルトレードジャパンは「ここでリップルが買えます」という事以外、リップルとは何の関係もなく、勝手に容疑者がリップルを社号に使っただけという点です。

およそ仮想通貨の「取引所」は、ぜんぶ誰かが勝手に設立した営利企業であり、ニューヨーク証券取引所や東証のような公的性格を帯びていません。その中には「マウント・ゴックス」のように杜撰な経営で顧客から預かった資産を紛失したり、ハッカーの侵入に遭い、顧客資産を盗まれる、果ては今回の「リップルトレードジャパン」のように顧客からの送金を、着服するバカタレすら出る始末です。

僕自身、金融機関に勤めていたので、これら仮想通貨「取引所」に対する僕の目は冷ややかです。(おまいら、ヌルいこと、やってるな)と。

それは兎も角、リップルそのものの話に入って行きたいと思います。ここで重要なのはリップルはビットコインと「似ても似つかぬ代物だ」ということ。言い換えれば、僕のリップルに対する評価は低いです。

リップルは2004年にライアン・ファガーによって考案された仮想通貨です。(=ビットコインより歴史が古い点に注目!)

ライアンはカナダのバンクーバー出身のウェブ・デベロッパーです。ライアンはウェブでお金を送金する方法を、色々思案し、次のような方法を編み出しました。

A君はBさんを知っている。BさんはC君と友達だ。C君はD氏がたいへん信頼できる人物だと知っている……

この場合、A→B→C→Dと言う経路で、「波状」に、お金を渡して行けば、安心できる、信頼を基礎にしたつながりを通じて送金できるというわけです。このような信頼に根ざした送金のコンセプトをRipplePay.comと名付けました。

RipplePay.comは多くの支持を得ることができず、テイクオフしませんでしたが、そのプロトコルは2013年にオープンコイン(当時)というプロジェクトとして再試行され、著名VC、アンドリーセン・ホロウィッツからの資金注入を受けました。このプロジェクトは後にRipple Labsという名称に変わっています。

さて、リップルがビットコインと大きく違う点は、マイナーが居ないということです。ビットコインが「相手が誰であろうと=すなわち信頼できる、できないにかかわらず、取引だけはちゃんとできる仕組み」であるのに対し、リップルは「信頼の輪」というサブネットワークの上に分散型ネットワークを築くという方法を採用しています。

言い換えればビットコインが性悪説ならリップルは性善説に基づいているわけ。そして、そのぶん、リップルの価値提案は弱いです。

リップルはトラステッド・ゲートウェイという「終点」を設け、そこでお金の預け入れや引き出しを受け付けました。

リップルでの送金は、ちょうどインターネットで情報のパケットを送信するのとおなじようなラウティング(routing)を通じて相手に届くというわけです。

もしユーザーがトラステッド・ゲートウェイを利用したくない場合は、リップル自体の暗号通貨、リップルズ(XRP)を使うことも出来ます。

さて、XRPの問題点はマイニングというプロセスを経ない関係で、自然かつ徐々にXRPを放出してゆくメカニズムが無いと言う点です。

当初設定された1千億XRPは、Ripple Labsによって保有されています。これがどういう方法で放出されるのかがわからないので、投資家は常に「売り浴びせ」に対する不安を抱いています。

XRPのコア支持者たちが、今後の放出方法に関し「アンフェアだ!」と異議を唱える可能性もあるわけです。

リップルはこのような問題を抱えているため、苦肉の策として、個人投資家間の取引よりも、むしろ初めから「信頼されている者同士」であるメカバンク間の取引ツールとして活路を見出そうとしています。

これは既に1973年から存在する国際銀行間通信協会(SWIFT)の決済ネットワークと良く似ています。

有り体に言えば、SWIFTがやっていることより、もっと遙かに素晴らしいことをXRPが提案できなければ、XRPがSWIFTに取って代わられる可能性は低いのです。

【ビットコインの基礎シリーズ】 第1回 ビットコインが生まれた背景について
【ビットコインの基礎シリーズ】 第2回 人々が「この仮想通貨には価値がある!」と考える決め手について
【ビットコインの基礎シリーズ】 第3回 FANGとビットコインはどちらが優れた投資対象か?
【ビットコインの基礎シリーズ】 第4回 イーサリアムの素晴らしさとその「原罪」について

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