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野党の迷走が止まらない――野合と裏切りを続ける人々 - 松田 明

早くも政策協定を破る

 選挙最終盤に来て、野党の迷走ぶりがあまりにも酷くないだろうか。

 まず、希望の党の民進系候補者たちだ。

 代表である小池知事は、9月27日の時点で入党条件が「憲法改正」と「リアルな安全保障」であることをマスコミに公言し、テレビでもその様子は放映されている。

 それを承知で、翌28日、民進党は両院議員総会を開き「満場一致」で希望の党への合流を決定した。

 しかも、希望の党は10月3日の時点で、候補者に対し「政策協定書」(全文:時事ドットコムニュース)の署名を求めている。そこには、

 現実的な安全保障政策を支持する。(協定書2項)
 憲法改正を支持し、憲法改正論議を幅広く進めること。(同4項)
 希望の党の公約を順守すること。(同8項)

等が明記されているのだ。

 民進党からの合流組も、これに署名して立候補の公認を得ている。

 ところが、選挙戦が始まって希望の党の支持が伸び悩んでいることに不安を抱いたのだろう。

 ラスト1週間になって、一部候補者たちは公然と希望の党の公約や理念、自分が署名までした協定書を覆す主張をはじめたのだ。

 衆院選を前に民進党から希望の党に移籍した前職の中に、希望の党の公約と大きく異なる主張を掲げる候補が続々と出始めた。希望の党が容認する「憲法9条改正」などの〝踏み絵〟を踏んだはずなのに公然と異を唱え、小池百合子代表を批判する声まで上がる。希望の党の失速で焦りを募らせているようだ。(産経新聞/10月16日)

 仲間割れするのは勝手だが、これほど有権者をバカにした話はない。小池氏が「排除」を語ったのは9月29日の話で、彼らはその後に「憲法改正」「現実的な安全保障」「公約を順守」と明記された政策協定書に署名しているのだ。

詐欺に遭ったようなもの

 さらに、選挙期間中にもかかわらず、民進党の参議院会長や岡田・元代表らからは「民進党への再結集」「野党再々編」などといった不謹慎な発言が続いている。

 また、小池氏から〝排除します〟と合流を拒否された者たちが立ち上げた立憲民主党も、こうした風見鶏の勢力を積極的に迎え入れる姿勢を見せている。

 立憲民主党の枝野幸男代表は14日、民進党の参院議員らを中心に、民進党「再結集」論が浮上していることに関し「排除の論理を取らないのが、結党のいきさつだ。われわれの旗の下、同じ考え方の皆さんと勢力を広げようと思っている」と語った。(共同通信/10月14日)

 当選目当てにこれまでの主張をあっさり捨て、「憲法改正」「平和安全法制」容認に署名までしながら、雲行きを見て、やっぱり「反対」にふたたび宗旨替えするような候補者。

 しかも、自分が公認を得た政党の公約や、その党との政策協定さえ、選挙期間中に反故(ほご)にするような候補者。

 こうした候補者たちとも、選挙後に立憲民主党は手をつなぎ一緒になるというのか。

 それこそまさに政策も理念もかなぐり捨てた、単なる数合わせの〝野合〟ではないか。

 さっぱり支持率が伸びなかった民主党が、選挙期間中だけバラバラになってそれぞれ看板を替え、選挙後にまたくっついたら議席が増えているというのでは、有権者は巧妙な詐欺に遭ったようなものだ。

5年で5つの党を渡り歩く

 最後の日曜日となった10月15日、神奈川6区の上田勇候補(公明)の応援に立った自民党の小泉進次郎・筆頭副幹事長は、

 野党のときに自民党という名前が不人気でも、人気が出そうな名前に変えようとは思わなかった。(産経新聞/10月15日)

と、同6区の立憲民主党候補が過去に数々の政党を渡り歩いてきたことを痛烈に皮肉った。  ちなみに、この候補者の場合、2012年の初出馬からの5年間で「みんなの党」⇒「結いの党」⇒「維新の党」⇒「民進党」⇒「立憲民主党」と党籍が変わっている。

 選挙の風を読むことだけに必死な議員たちが、投票日20日前になって急ごしらえした立憲民主党。

 彼らは「立憲」と称しながら、一方で憲法観のまったく相いれない日本共産党とあからさまな一体化を進めているのはどういうことだろうか。

 最たるものが自衛隊で、立憲民主党の枝野代表は「合憲」と明言し、日本共産党は綱領の中で「違憲の自衛隊は解消」と掲げている。そもそも共産党は明確に日本国憲法とは異なる共産主義体制をめざしている政党なのだ。

 共産党の機関紙『赤旗』は、東京などで立憲民主党の陣営が「比例区は共産党へ」と印刷されたハガキを製作したことを嬉々として報じている。

 選挙戦のさなかに止まらない、野党の迷走。

 22日の投開票が終われば、野党はまちがいなく速攻で仲間割れと罵り合い、追放や除名処分を連発し、選挙期間中の主張さえ平然と覆す離合集散に走ることになるだろう。

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