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日本のテレビがLGBTをお笑いにするのは“時期尚早“だったのか 「保毛尾田保毛男」問題にLGBT当事者とウーマン村本の意見は

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 9月28日放送のフジテレビ「みなさんのおかげでした30周年SP」で石橋貴明さんが扮するキャラクター「保毛尾田保毛男」が復活したことに対し激しい抗議の声が上がった。

 トランスジェンダーであることを公表している、株式会社ニューキャンバス代表の杉山文野さんも声を上げた一人。思いを綴った文章をネット上に公表、Twitterでは「保毛尾田保毛男の件、『悪気のない』笑いの裏でどれだけ多くの人が傷つき、時には自殺にまで追い込まれているという現実を知ってほしい」と訴えた。

 フジテレビは16日、「とんねるずのみなさんのおかげでした」のホームページに「男性同性愛者を嘲笑すると誤解されかねない表現をしたことで、性的少数者の方々をはじめ沢山の視聴者の皆様がご不快になったことに関して、深くお詫び致します」との内容の謝罪文を掲載した。

 今回の騒動について街で尋ねると、

「ビジュアルがあんまり好きじゃないかな。でもそれは表現の自由、好きな人は好きでいい。それで謝罪する必要はないと思う」

「数十年前ならよかったものが、今はダメになってきているから、時代を考えた方がよかったのかなと思う。ちょっとやり過ぎかなと思う」

「自分がハゲているとか太っているとかネタにしている芸人がいるが、自分自身が同性愛者ではない人がネタにしているようだったら不快感を持たれると思う」

「その時の解釈によってだいぶ変わると思う。時代の流れ」

「これは一つのコメディー。そんなに目くじらを立てることではないと思う」

 と賛否両論。アニメーション制作をしているというメキシコ出身の男性は「問題はないと思う。コメディアンの仕事としてやったことで、人をバカにしているわけではない。メキシコはもっと開かれていて、ゲイの俳優やコメディアンが自分をネタに冗談を言うこともある」と話した。

 番組への非難が高まる一方、ウーマンラッシュアワーの村本大輔さんが杉山さんのツイートに「お前だけが被害者面すんな、おれも学歴や職業や考えで差別されてると思うことは沢山ある。でも生きる」と反論した。これに対し、NPO法人フローレンス代表の駒崎弘樹さんが「学歴や職業等、選択できるものとセクシャリティは違う。例え自分が差別され痛いからといって、現に痛がっている人たちに『痛がるな』という権利はない」という主旨の批判をするなど、村本さんは大炎上することになった。

 そんな中、16日のAbemaTV『AbemaPrime』に、杉山さんと村本さん、そしてゲイであることを公表、LGBT支援団体の代表を務めている明治大学4年生の松岡宗嗣さんが生出演。LGBTと表現をめぐる問題について議論した。

■ウーマン村本「一緒に生きていきましょうという意図だった」

 「人権を意識してエンタメを作るべきだと主張するつもりはない」と話す杉山さんだが、テレビの表現が原因で、学校では苦しい思いをしたという。「小さい頃、テレビをつけると女性的な男性が"オカマ、オカマ"と笑われていた。"これこれ(手の甲を頬に寄せるジェスチャー)"というのも流行っていた。学校に行けば、みんながそれを真似して笑っている。『打ち明けたら僕もいじめられちゃうんじゃないか。居場所がなくなったらどうしよう。僕は変な人なんじゃないか』という印象を抱いたのが、あの番組だった」。

 村本さんは問題になった自身のツイートについて、前後のツイートを読んでもらえばわかるが、杉山さんに宛てたものではなかったと主張。自身に批判的なTwitterユーザーたちに対し、身体的な特徴、後天的な要素、生まれ育った場所など、人には引け目を感じる部分、苦しんでいる部分が必ずあり、LGBTだけを特別視するのはおかしいという意図があったと釈明する。

 「差別されて当然だということではなく、一緒に生きていきましょうという意図。LGBTだけは違うと言っているような気がして、引っかかっていた。LGBTを特別扱いして、腫れものに触るようにしている。LGBTのことは言っちゃダメ、見ちゃダメ、という雰囲気になった結果、当事者たちが一番息苦しい思いをするんじゃないかと思った。以前、会社でカミングした男性が当初は歓迎されたものの、飲み会に誘われなくなったり、無視されるようになったという話を聞いたことも記憶にあった」(村本さん)。

 これに対し杉山さんは「番組を作る時にどれくらい想像力を働かせていたか。どういった現実があって、それによって何が起こっているかも検討した結果、出したのか」と疑問を呈する。その上で、「村本さんの懸念もすごく分かる。抗議文を出したのも、フジテレビやとんねるずさんを糾弾しようということではなく、また同じようなことが起きないよう、ちゃんと伝えようという思いからだった。自分たちが正義だと言うために相手を悪だと言う必要はない。正義の反対に悪があるという議論になってしまっている部分があるのが残念だ」と話す。

 また、「憲法は"すべて国民は、法の下に平等"と謳っているが、そこに学歴や職業は含まれていても、LGBTは含まれていないと感じることが多い。僕の場合、見た目は男性で女性のパートナーがいるが、戸籍上は女性同士なので結婚することができない。婚姻の平等はまだない」と指摘、LGBT差別の問題と、村本さんの主張する学歴・職業差別の問題は必ずしも同一視できないとした。

 今回、BPO(放送倫理・番組向上機構)は、保毛尾田保毛男について、「バラエティーの表現の自由の範囲内」として審議の対象にはしていない。フジテレビに対しては「真摯に対応してくださってるな」という印象を持ったという杉山さんだが、BPOに対しては「差別的に使われてきた言葉をOKにしてしまった。委員の方たちに知識がどれだけあったのか。社会課題を笑いにするのはいけないことではないが、何も考えずに笑いの対象にしているのをOKだとするのは残念だし、今後が心配だ」と批判した。

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