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「日本を動かす経営者」を表彰! JAPAN’s CEO Conference 2017開催

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「最も企業価値を向上させたCEO」は誰だ

これからの日本に必要な経営者像を映し出す──フォーブス ジャパンでは、2015年以来、今年で3度目となる「CEOランキング」を発表。そのアワードセレモニーとなる「JAPANs CEO Conference 2017」を、10月10日パレスホテル東京にて開催した。

なぜフォーブス ジャパンは、CEOアワードを開催するのか。約300名の来場者を前にした開催の挨拶で、編集長・高野 真は次のように述べた。

「昨今、『企業価値の向上』という観点では、企業や事業そのものに注目が集める傾向にあります。しかし、我々フォーブス ジャパンは、CEOの力こそが、企業価値を高めることに最も大きく貢献すると考えています。ランキングの目的は、CEOに優劣をつけることではありません。メディアとして、企業価値を向上させたCEOを正しく評価し、その結果を皆さんにお伝えする──それこそが、このアワードの狙いです」

「インクルーシブ・キャピタリズム」が世界的なキーワードである背景を考慮し、「ESG(環境・社会・ガバナンス)パフォーマスンス」の評価指標をより充実させることで、より的確に企業価値の向上を評価できる仕様に変更された今年度のランキング。その結果は、下記の通りである。

「社長力ランキング2017」
1位 大橋 徹二 / コマツ
2位 高原 豪久 / ユニ・チャーム
3位 河合 利樹 / 東京エレクトロン
4位 大西 朗 / 豊田自動織機
5位 有馬 浩二 / デンソー
6位 小堀 秀毅 / 旭化成
7位 稲垣 精二 / 第一生命ホールディングス
8位 伊原 保守 / アイシン精機
9位 進藤 孝生 / 新日鐵住金
10位 木股 昌俊 / クボタ

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[左から]高野 真(Forbes JAPAN 編集長)、河合 利樹氏(東京エレクトロン 代表取締役社長・CEO)、高原 豪久氏(ユニ・チャーム 代表取締役 社長執行役員)、伊原 保守氏(アイシン精機 取締役社長)、木股 昌俊氏(クボタ 代表取締役社長)

第2位に輝いたユニ・チャーム 代表取締役社長 社長執行役員・高原 豪久氏は、受賞スピーチでは、自社のESGに関する考え方に言及した。

「世界80カ国で展開するユニ・チャームでは、各国の大きく異なる状況を見極め、『適切なタイミングと適切な商品を導入する』ことこそが、環境・社会・ガバナンス全てに対する、一貫したスタンスです。そうした考えに基づいた事業経営が評価され、トップ10圏外であった去年のランキングから、大きく飛躍できたことを大変嬉しく思います」

トップ10CEOが語る「人材イノベーション」の秘訣

CEOランキング表彰式に続き実施されたCEO Conferenceのトークセッションでは、トップ10にランクインした4名のCEOが登壇。「『人材イノベーション』の秘訣」をテーマに、経営者として、「成功体験の壁」「組織の壁」をいかに乗り越えてきたかを語った。

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高原 豪久氏(ユニ・チャーム 代表取締役社長 社長執行役員)

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河合 利樹氏(東京エレクトロン 代表取締役社長・CEO)

各CEOが提示した”秘訣”は次の通り。「アジア企業の成功の模倣スピードに対応する、柔軟なポートフォリオ経営の実践」(ユニ・チャーム 高原氏)、「大規模な統合解消後の、コミュニケーション密度を重視した組織作り」(東京エレクトロン 河合氏)、「自動車業界の今後を見据え、伝統の分社化経営から、一体感を重視した経営への大胆なシフト」(アイシン精機 伊原氏)、「明確な方向性を渇望する各部署に、あえて壮大な問いを考えさせる経営」(クボタ 木股氏)。セッションを通して、議論となったのは、大企業が持つ「伝統」を活かしつつ、CEOしてどのように「革新」を起こし、企業価値を向上させていくか、という普遍的なテーマ。壇上では、各CEOが自ら行った改革に基づいた熱のこもった議論が展開された。

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伊原 保守氏(アイシン精機 取締役社長)

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木股 昌俊氏(クボタ 代表取締役社長)

日本発の成功事例に学ぶオープンイノベーションの本質

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高橋 誠氏(KDDI 代表取締役執行役員副社長)

本年度の「JAPANs CEO Conference 2017」では、受賞者によるトークセッションに加えて、スペシャルなトークセッションを用意。カンファレンス全体のテーマである「融合─オーブンイノベーションが拓く日本の未来─」に合わせ、まず登壇したのはKDDI 代表取締役執行役員副社長・高橋 誠氏とソラコム 代表取締役社長・玉川 憲氏だ。そこでは、今年8月に発表されたKDDIによるソラコムの大型買収の舞台裏と未来の戦略が大いに語られた。

「大企業とスタートアップの統合がうまくいかない最大の理由は、大企業側がすぐにシナジーを求めてしまうことにあると思います。実は、一緒にやることにした人を『応援』することの方が、シナジーへの近道なんです」(KDDI 高橋氏)

この高橋の言葉通り、買収後もKDDIは一貫して、ソラコムの独立した運営をサポート。ソラコムは従来のサービス・会社名・組織文化を維持したまま、大手キャリア・KDDIが持つ次世代ネットワーク基盤技術を利用した研究開発を行うことのできるメリットを享受している。

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玉川 憲氏(ソラコム 代表取締役社長)

「グループ入り後も、変えてはいけないと思っているのはイノベーションのスピード。スタートアップの強みを維持しながら、新しいサービスを次々と生み出すことで、グループ入りが『成功』であったと、証明するつもりです」(ソラコム 玉川氏)

時折冗談を飛ばしながら、「大企業の経営幹部」と「スタートアップCEO」がお互いの印象や今後の展望を率直に語り合うその光景が、買収後の関係性の良好さを示す、印象的なセッションであった。

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伊藤 慎介氏(rimOnO 代表取締役社長)

さらに、先行する大企業とスタートアップのオープンイノベーションの”好例”として、登壇したのが三井化学常務執行役員兼研究開発本部長・福田伸氏と、日本発の布製超小型電気自動車を開発するスタートアップ・rimOnO代表取締役の伊藤 慎介氏。両社は2015年から、三井化学が量産型自動車では利用されたことのない素材を提案・提供する形で、市販化に向けた共同開発を進めている。

「提携前、創業時にオフィスを構えていた家賃4万円の小さなインキュベーションオフィスへと、研究者の方がたくさんのサンプルが詰められた紙袋を持って来てくださいました。それだけでも十分驚きましたが、1か月後には、当時の常務執行役員さんもいらっしゃった。本当にスタートアップと連携して面白いことをやりたいという本気度を感じたからこそ、共同でプロジェクトを進めたいと強く思ったわけです」(rimOnO 伊藤氏)

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福田 伸氏(三井化学 常務執行役員・研究開発本部長)

「フラットな関係性」が、オープンイノベーションが成功する秘訣であると思わせる象徴的なエピソードから始まったこのセッション。さらに 、三井化学・福田氏からは、rimOnOとの連携による組織が変貌した様が語られた。

「『日本発の布製超小型電気自動車を作る』という野心的なミションを掲げたrimOnOの存在が、我が社の技術者たちに火をつけ、その熱は、社内の他の部門にも伝搬しました。結果、経営側から『横断的に動け』と指示するまでもなく、技術者・非技術者が横のネットワークを駆使して、主体的にプロジェクトが進んでいく様は、本当に痛快でした」

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