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【読書感想】酔うと化け物になる父がつらい

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酔うと化け物になる父がつらい

酔うと化け物になる父がつらい

Kindle版もあります。

酔うと化け物になる父がつらい

酔うと化け物になる父がつらい

内容紹介
「夜寝ていると、めちゃくちゃに顔を撫でられて起こされる。それが人生最初の記憶……」 幼い頃から、父の酒癖の悪さに振り回されていた著者。中学生になる頃には母が自殺。それでも酒をやめようとしない父との暮らしに、著者はいつしか自分の心を見失ってしまい…。圧倒的な反響を呼んだ家族崩壊ノンフィクションコミック。読後涙が止まらない全11話に、その後の描きおろしを収録。家族について悩んだことのあるすべての人に読んでほしい傑作。

 ああ……
 読みながら、子どもの頃、酔っ払った父親が帰ってくると、あわてて布団に潜り込んで寝たふりをしていたのを思い出しました。

 でも、そのくらいだったら、まだマシ、だったのかな……家で飲んで暴れる、ということもほとんどなかったし……読み進めていくと、そうやって「うちよりもっと酷い家だってたくさんあって、まだマシなほうなんじゃないか」って、思い込もうとして、ガマンしようとしてしまうことが、状況の改善を妨げていたのかな、という気もするんですけどね。

 この本へのさまざまな感想を読んでいると、「内容には共感できるのだけれど、解決策がほとんど提示されていないので、いま、同じようなことで苦しんでいる人には、役に立たないのではないか」というのがありました。
 僕も、読み終えて、最初はそう思ったんですよ。

 でも、安易に「これでウチは良くなりました」「悲しいこともあったけど、お父さん、ありがとう!」みたいな「いい話」に着地させなかったのは、すごく誠実なことだと思うのです。
 こういう体験をした人が「許せました!」って、作品にするときに自分の感情を美化してしまうほうが、そうできない人を、ずっと苦しめることになるのではなかろうか。

 全11話を読み終えた時点では、僕はちょっと「綺麗すぎる」と思ったんですよ。たぶん、作者も、自分の気持ちに決着をつけたくて、あるいは、あまりに座りの悪い終わり方だと読者に受け入れられないのではないかと考えて、ああいう「終わり」に一度はしたのではなかろうか。
 でも、書き下ろしの「その後」を読んで、僕は正直、ちょっとホッとした。
 そうだよね、そう簡単に、割り切れないよね。

 もしかしたら、出版社や編集者の「最後は泣けるオチに」というようなプレッシャーを、読者の声が払いのけて、こういう、迷宮の深さを思い知らされるような、率直な「その後」が書かれることになったのではなかろうか。
 そういう意味では、インターネット時代の、読者の声や気持ちがリアルタイムで直に伝わってくる時代だからこその着地点であるようにも思います。

 「解決法がない」という話なんですが、これって、お父さんにとっては「付き合いにはお酒を飲むことが欠かせない時代」であり、「妻はずっと新興宗教にハマっていて、自分よりも信仰のほうばかり見ている」状態で、お母さんにとっては、「夫は毎晩友人との酒の付き合いばかりしていて、自分や家族のことに構ってくれない。だから信仰に頼らざるをえない」のですよね。

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