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安倍首相が「嫌い」でも取材は礼を尽くせ

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10月8日、与野党8党首の討論会が東京・内幸町で開かれた。ここで行われたメディアとの質疑応答で、安倍晋三首相などに横柄な態度で質問するベテラン記者がいた。ジャーナリストの沙鴎一歩氏は「記者として残念だ。これでは信頼を失う」という。取材者はどのような態度を心がけるべきなのか。各紙の報道姿勢を問う――。

■朝日の論説委員と安倍首相が論争?

10月8日、与野党8党首の討論会が東京・内幸町で開かれた。党首同士の討論が行われたあと、主催の日本記者クラブの企画委員との質疑応答があった。この企画委員とは新聞各社の論説委員や編集委員といったベテラン記者なのだが、その態度が横柄で、非常に残念だった。討論会の模様はNHKでも中継されていたので、同じような感想を持った視聴者も多かったのではないか。

記者が公約の中身について党首を問い詰めるのは当然だ。しかし党首が丁寧に答えているに、尊大な口調で聞き返したり、答えを遮って質問したりするのはどうだろうか。党首に対し、無礼ではないだろうか。これだから新聞社が信用を失うのかもしれない。

沙鴎一歩の愚見だが、新聞の社説やコラムはどう書いているのか。読み解いていこう。


毎日新聞の2面の企画記事(10月9日付)。見出しは「気色ばむ首相、朝日批判 加計問題で応酬」。

■毎日は「安倍首相の説明は説得力を欠く」と批判する

9日の毎日新聞の社説は、問題の党首討論会を正面から取り上げている。

「首相の討論会発言 これが丁寧な説明なのか」との見出しを付け、書き出しから「唐突に衆院解散に踏み切った安倍晋三首相の説明は相変わらず説得力を欠いた」と安倍首相を批判する。

そのうえで「臨時国会での質疑を封じて解散を表明した際、首相は国会など必要ないといわんばかりに『選挙は民主主義における最大の論戦の場だ』と言い切り、加計学園や森友学園問題の『疑惑隠し』ではないと力説した」と書き、次に「それでは討論会での説明が国会に代わるものだったろうか」と追及する。

安倍首相の答弁やその姿勢を「加計問題に関して首相は『私が影響力を行使したわけではない』と、これまでの国会答弁を繰り返した。加えて、首相寄りの関係者の証言がもっと報じられていれば国民の理解は進んだ――とマスコミに責任を転嫁するような反論も展開した」とまで酷評する。

■権力への「追及」には大賛成だが……

さらに「また森友問題では、首相の妻・昭恵氏の国会招致について『私が代わって十分に説明している』と引き続き拒否する考えを示した」とも書き、こう指摘する。

「『丁寧に説明する努力を積み重ねたい』という首相の約束はどこへ行ってしまったのか。これでは国民の不信感が消えるはずがない。こうした首相の姿勢も含め、引き続き衆院選の焦点となるだろう」

8日の討論会でも毎日新聞の専門編集委員は追及の手を緩めることなく、安倍首相の疑惑に迫った。権力に対する新聞記者の追及は当然な行為であり、取材の原点でもある。この沙鴎一歩も大賛成である。

かつてのロッキード事件やリクルート事件でも、記者会見場は鋭い質問が次々と飛び交い、疑惑を解明して国民の前にさらけ出してやりたいという記者たちの熱気が渦巻いていたものである。

続けて毎日社説は北朝鮮問題もお得意の論調を展開する。

「首相は北朝鮮問題を挙げて『国難突破解散』だと言う。討論会では今後、北朝鮮情勢はさらに緊迫するとの見方を示した。今のうちに衆院選を行い、国民の信を得て乗り切りたいとの考えかもしれない」
「だが、そうした情勢分析をしているのなら、まず国会できちんと説明するのが筋だ。説明もなく『国難』と不安をあおって選挙に臨むというのは、やはり順番が逆だ」

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