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東芝問題の決着と残された課題

東証から公表されたように、東芝の上場維持が決定された。突如、今日の昼前、日本取引所自主規制法人の臨時理事会が開催され、東芝を上場維持すべきかどうかが議論された。結論は、薄氷を踏む「上場維持」だった。これだけを伝えておく。

このブログを書いている時は、自主規制法人の佐藤理事長が記者会見をしている時間帯に相当する。同時並行的になるが、「記者会見では、こんなことを言うべき」と決まった内容を、このブログで書いておきたい。新聞の記事が、記者会見の内容を正確に伝えるのかどうか怪しいので。なお、もっと詳細を書くのは、守秘義務があって不可能である。

第1点。今回の上場維持の判断が、東芝をしてエクセレントカンパニーになったというか、戻ったというか、そのことを認めるものでは全くない。

依然として、来年3月末において債務超過の状態が解消されず、上場廃止基準に抵触した場合には、上場廃止となる。外野というか場外の一部には、東芝に対する特例措置として、債務超過が解消されなかったとしても上場を維持させるべきだとの議論もあるそうだが、上場や上場基準を議論するのは自主規制法人である。今回の東芝を巡る議論を思い起こすと、どの理事も東芝への特例措置を認めないのは確実である。万が一というか億が一認められれば、僕は理事を退く。

第2点。東芝には、「フリーポート社との天然ガスの液化に関する加工委託契約」という爆弾が残っている。詳細は有価証券報告書を見て欲しい。最大「1 兆円に近い損失が発生するリスクを抱えている」。その他、損害賠償に関する訴訟も抱えている。

ということで、今回の「上場維持」の決定が、東芝の企業価値の維持や継続的な成長を保証してはいない。

第3点。以上の総括ではあるが、今回の決定が、東芝に対する「実質的には条件付き」の上場維持の判断と考えるべきである。自主規制法人としても、継続して東芝の内部管?体制等をモニタリングし、フォローアップをしていくと決定された。

第4点。東芝に対して自主規制法人は、経営体制の強化、これまでの上場維持に向けたさまざまな取り組みの継続と定着を要請した。

今回の上場維持の決定に関して、自主規制法人としてはルール上、上場維持か廃止かの二者択一を求められた。廃止という意見がなかったわけでなく、最後の上場維持の表決でも反対票が入った。この意味で、苦渋の選択、薄氷を踏む決定だったわけで、次に何か事件が起きれば、即刻上場廃止になる可能性が大きいと考えている。

追記:情報によると、佐藤さんは今日の記者会見で、今回の東芝の事件について「技術は一流、経営は三流の悲劇」と語ったとか。

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