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パナソニックのセンサが“心”を見える化

いまや、驚くべきことに、「うれしい」「悲しい」「怒っている」といった気分までテクノロジーで「見える化」できるようになってきた。この「感情検出テクノロジー」は、マーケーティングや教育、医療などを大きく変える可能性があるんですね。

今月3日から6日に幕張メッセで開催された「CEATEC JAPAN2017」の初日、パナソニックのブースを、社長の津賀一宏さんが訪れました。

津賀さんが力を入れる、注目の技術のひとつが「感情・体調センシング」技術なんです。自動運転技術や運転支援システムに使われる、ドライバーの体調を検知するセンサの開発はこれまでも行われてきましたが、これに加え、ドライバーの感情までくみ取り、感情と体調の状態を組み合わせてソリューションを提供するのがこの技術の狙いなんです。


※「感情・体調センシング」技術の説明を受ける津賀さん(左)とパナソニックAIS社技術本部課長の楠亀弘一さん

「人の状態をセンシングしながら、その人の状態に合わせて動作をする。あるいは人の状態とその周囲の状態を組み合わせて、その人がどういうものを好み、どういうものにイライラするのかを分析して、生活の中にある不快な要素を取り除くことで、人の感情や体調を理解するという技術が求められていると考えています」

と語ったのは、9月27日に、「CEATEC JAPAN2017」に先駆けて行われた、「センサーソリューション技術セミナー」に登場した、パナソニックオートモーティブ&インダストリアルシステムズ社技術本部課長の楠亀(くすかめ)弘一さんです。

例えば、クルマの運転でいえば、ドライバーの脈拍や瞬きなどから、「眠気」や「不安」といった自動車事故につながる要素をセンサが検知する。すると、車内から冷たい風が送られたり、陽気な音楽が流れたりするなど、覚醒状態を維持する。

また、現在の「眠気」を検知するにとどまらず、将来の「眠気」まで予測する。例えば、センサがドライバーの皮膚温度や放熱量など、「眠気」に関わる情報を検知し、AI処理することで、高いレベルの「眠気」に襲われる可能性がある場合にアラートを鳴らす。こうした居眠り運転を防止する機能を、「眠気制御技術」に盛り込む。

「感情・体調センシング」技術は、こうした身体情報の把握や将来予測だけではなく、顔の表情や温冷感など、約1800もの情報から人の「驚き」や「悲しみ」、「怒り」や「喜び」といった感情を推定することができるという。

感情と体調を推定するのに必要なのは、「カメラ」と「サーモカメラ」の二種類の非接触デバイスです。先に行われた技術セミナーのデモンストレーションでは、被験者の身体情報から、表情だけでは認識しづらい「驚き」、「喜び」といった感情を、高精度に推定しました。


※被験者とカメラを使ったデモンストレーション

現在、「眠気」を検知する技術の推定精度は、83%で世界で最も高いレベルにあるという。また、パナソニック独自の「15分後の眠気」を予測する精度が約70%、感情に関しては、「笑顔」が94%、「驚き」、「怒り」、「嫌悪」、「恐れ」が85%の精度で推定されるといいます。


※縦軸に「覚醒」と「眠気」、横軸に「不快」と「快」を示した画面

こうした感情と体調の情報を組み合わせることによって、今後、不特定多数の顧客の好みを分析してマーケーティングに活用したり、製品を扱う際のイライラを検知して商品の使い勝手を向上させたり、学生や社員の理解度やストレスを「見える化」して学習や働き方改革に貢献させるなど、さまざまなソリューションを提供することができます。

「CEATEC JAPAN2017」で囲み取材に応じた津賀さんは、「感情・体調センシング」技術について次のようにコメントしました。
「コンシューマー系のビジネスをやっていると、お客さまとの接点というのは我々の命です。その部分では間違いなく使えると思います」

近い将来、商品開発における「感情検出テクノロジー」は、欠かせないものになるということなんでしょうね。

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