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【言論NPO座談会】課題解決に向けた政治を目指すための一歩に ~衆議院選挙を前に考える、日本の民主主義、政党政治の現状と課題~

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2017年10月2日(月)
出演者:
内山融(東京大学大学院総合文化研究科教授)
網谷龍介(津田塾大学学芸学部教授)
竹中治堅(政策研究大学院大学教授)

司会者:
工藤泰志(言論NPO代表)

 安倍首相は9月28日に衆議院を解散しました。北朝鮮問題などに直面しているこの時期に、なぜ解散なのか、国民が納得のいく理由は語られず、メディアでは"大義なき解散"と呼ばれています。
 その一方で、野党第一党の民進党保守派は、小池百合子都知事が代表に就任した「希望の党」に事実上、合流する方針を示しましたが、政策を軸にして政党を組織するのではなく、選挙のための新政党という色合いが濃いものです。他方、リベラル派は新政党を立ち上げ、野党第一党は分裂しました。果たして今、日本の政党政治は、日本が直面する課題を解決するために動いているのか、日本の民主主義は機能しているのか。

 衆議院選挙を前に、東京大学大学院総合文化研究科教授の内山融氏、津田塾大学学芸学部教授の網谷龍介氏、そして政策研究大学院大学教授の竹中治堅氏の三人の政治学者をゲストにお迎えし、「日本の民主主義の現状と課題」について議論しました。

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現状の政党政治の変化とは

 まず、司会の言論NPO代表の工藤泰志が、「今の政党政治の変化を、どのように見ているか」3氏に尋ねました。

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 内山氏は「こうした状況は、日本だけではない。政党政治の閉塞感が、既成政党に疑問を持ってトランプ大統領を生み、イギリスではEU離脱というBREXITがあったように政党政治は流動化している」と返答。網谷氏は「欧州の政党政治は、社会的前提があって初めて成り立っていたのだということが、日本を見ているとよくわかる。こういうこともありなのか、と。政党政治は支えるのが難しい」、竹中氏は、「安倍さんは今、解散すれば有利だな、と思って解散したら、小池都知事が"希望の党"を立ち上げた。自民党に対抗する"希望"に、民進党は起死回生とばかり加わり、"希望の党"が勢いを持ったのは、安倍さんにとって意外だったのではないか」と、これまでの経過について、それぞれ感想を述べました。

「雰囲気」や「選挙に勝てるかどうか」で離合集散が繰り返される政党政治

 解散を受けて新党が生まれ、そこへ最大野党の保守勢力が吸収され、旧党に残されたリベラル派が集まり新党結成。あまりに急激な変化を目にして、有権者の戸惑いは大きいのではないか、との指摘がなされる中、「国会を解散することで、首相が、有権者が選んだ国会議員の首を切る。この仕組みと、党の身売りで党そのものが分解してしまう。一般企業が集団でどこかに移り、そして無くなるようなもので、これはどこか、おかしいのではないか」、工藤が問いかけます。

 「英国から持ってきた仕組みだが、今となっては珍しい解散の仕組みだ。しかし、それを認めている以上は、おかしくない。また、民進党は自民党、公明党、共産党と比べると、足腰が弱い政党。社会的組織として支部とか、党員とかがしっかりしていれば、党を身売りしたくても出来ないだろう」と語る網谷氏に対して内山氏は、「英国のように解散権に歯止めがあるべき。そうした点では"大義なき解散"として、解散権の自由な行使を問題提起した野党には意義があった。また、日本の政党は根無し草のようなもので、個人が組織した後援会が集まり、そこから生まれた政治家が集合して政党が出来ているようなものだ」との見解を示しました。竹中氏は、「1996年9月の解散で、自民党に対抗するために新進党ができ、98年にリベラル派が民主党を作った。今回は、そうした政界再編を一気に一週間でやり、"希望の党"はネオ新進党、枝野氏が立ち上げた"立憲民主党"はネオ民主党のようなものだ。強い自民党に対抗しようとすると二つの選択肢があり、第二保守党を作ると、そこから漏れた中道左派、リベラル派は対自民勢力として固まろうとする。そこで、二つに分かれてはということで、一緒になり、そしてまた分裂する。その繰り返しだった」と説明しました。

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 さらに工藤は「"希望の党"への入党条件は、民進党が唱えてきた政策とは全く違う。政党は、政策を支持する民意と連携する中で、一つの社会的基盤を作っているのに、それを捨てるようなことが、なぜ起こるのか」と尋ねます。内山氏は、「最初に言ったように、今の閉塞感を、"ゲームチェンジャー"と呼ばれている小池さんなら打破してくれるのではないか。どこに行くのかわからないが、今よりはいいのではないか、という新しいものへの期待感だ」と話すと、「政策とは違う、"雰囲気"」でいいのか、と工藤が疑問を呈しました。

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 竹中氏は、「政策よりも、目先の総選挙で生き残ること。有権者を甘く見ているのだろうが、政策そっちのけで、新しい看板の下で戦えば、自分は当選する。小選挙区では大政党が有利なので、まず、政治家のポジションを確保しなければ、政策は出来ない。当選するために、手っ取り早いのは、風が吹きそうな"希望の党"にジャンプしてしまう」と指摘しました。「それでは政治不信が生まれないか」と問う工藤に、「国民のための政治家、それとのバランスを今、失っていて、どうバランスを取るかということ」と冷静に答える内山氏でした。

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