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安倍相場の高値に肉薄、買い手など2年前とは異なる様相

[東京 11日 ロイター] - 日経平均株価<.N225>が、2015年に付けた「安倍相場」の高値に接近した。しかし、2年前と比べその様相はかなり異なる。

世界的な株高に加え、業績拡大期待が追い風となっているが、ドル/円<JPY=>は10円以上もドル安/円高の水準。最大の買い手も海外勢から日銀に替わった。衆院選を控え政治も先行き不透明だ。持続的な株高となるのか、予断を許さない。

<円高進行でも業績拡大>  

安倍相場における日経平均の取引時間中の高値は、15年6月24日に付けた高値2万0952円71銭。11日はあと54円30銭に迫った。終値では同日に付けた2万0868円03銭を突破し、1996年12月以来、20年10カ月ぶりの水準まで上昇している。

15年当時の状況と比べて、大きく異なるのは、まず為替水準だ。15年6月時点で123円台にあったドル/円は、足元で112円台と10円超の円高水準にある。ユーロ/円<EURJPY=>は春先からのユーロ高で縮まったが、それでも2年前より6円近い円高レベルにある。

三菱東京UFJ銀行・チーフアナリストの内田稔氏は「日銀の金融政策でデフレを脱却する期待がはく落し、インフレ期待が大きくしぼんだ」と指摘。15年に比べ日本の予想実質金利が1%近く上昇したことで、日米実質金利差の縮小が円高につながったと分析する。

ただ、円高進行にもかかわらず企業業績は好調。16年度法人企業統計によると、日本企業(金融、保険除く)の経常利益は、前年比9.9%増の74兆9872億円と過去最高。今年度も更新する見通しで、9月中間決算発表では、業績予想の上方修正が相次ぐとみられ、足元の株高の原動力の1つだ。

2年前は円安進行を背景に輸出企業が業績を伸ばしたが、最近は内需系企業が好調だ。16年度の経常利益(法企統計)では、製造業の3.1%増に対し、非製造業は13.5%増。「インバウンド需要が息を吹き返しているほか、オリンピックに絡んだ再開発需要も建設業に寄与している」(三井住友アセットマネジメント・シニアストラテジスト、市川雅浩氏)という。

<買い手は海外勢から日銀に>

日本株の買い手も変わった。「安倍相場」初期の買い手は海外勢。12年11月の安倍相場のスタートから15年6月までに現物株と先物の累計で約23兆円買った。だが、チャイナ・ショックが起きた同年夏以降は売り越しに転じた。衆院解散観測が強まった今年9月以降は、先物のショートカバーが入っているが、17年累計では4800億円程度の売り越しだ。

ソシエテ・ジェネラル証券・株式営業部長の杉原龍馬氏は「アベノミクスにより日本株の環境が大きく変化する局面は終わった。これから先は、小さな変革が積み上がっていくイメージ。欧米に比べテーマが乏しく、相対的に日本株のポジションを高めなければならない理由がない」と話す。

海外勢に替わって日本株最大の買い手となっているのが日銀だ。日銀は16年7月にETF(上場投資信託)の買い入れ額を年間3.3兆円から6兆円にほぼ倍増することを決定。買い入れ額は15年の3兆0694億円に対し、17年1─9月中で、すでに4兆5462億円に上っている。

当面は売りに回らない日銀のETF買い。日経平均型からTOPIX型にシフトするなど市場のゆがみを抑える努力はしているものの、市場では「日銀による年間6兆円のETF買いがなければ、日経平均は今の水準には届かない」(国内銀行アナリスト)との見方は多い。

<衆院選後も「政治の安定」続くか>

15年の高値を抜けば、次の目標は96年6月26日に付けた2万2750円70銭になる。ただ、足元の2万1000円付近の価格帯は97年、00年、15年と過去3度、押し戻された水準だ。

バリュエーション面では、日本経済新聞社が算出する予想PER(株価収益率)でみて、10月10日時点で14.66倍と15年6月24日時点の16.59倍に比べ、割安感が出ている。

ただ、トムソン・ロイターのデータをもとにした1年後の予想PERは、ダウの18.80倍に対し、日経平均は17.75倍、STOXX欧州600種<.STOXX>は16.10倍と、日本株が突出して割安というわけではない。

UBS証券ウェルス・マネジメント本部のジャパン・エクイティ・リサーチ・ヘッド、居林通氏は「18年3月期は、円安や特損計上のリバウンドが日本企業全体の利益を押し上げるが、来期はそれが見込めない。純利益では横ばいになるだろう」とみる。

2年前とは政治の状況も大きく変わった。安倍晋三内閣・自民党の支持率は一時の高水準から低下。同時に野党再編も起き、衆院選では政権批判票が分散する可能性もあり、選挙結果は読みにくいと言われている。政治の安定が日本株の買い材料であるだけに、22日投開票の衆院選の結果は、日本株の先行きも大きく左右しそうだ。

(長田善行 取材協力:基太村真司 編集:伊賀大記)

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