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どうして今どき「男尊女子」が流行るのか

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男女平等が常識のはずの現代日本で、なぜか減らない「男を立てる」女たち。エッセイストの酒井順子さんは、彼女たちを「男尊女子」と名付けた。なぜそうなるのか、男には見えないその切ない事情とは――。

■つい自分から「男尊女卑」的な行動に


『男尊女子』(酒井順子著、集英社刊)

「男尊女子」という新語が、このところ話題になっている。頭では男女平等がいいと思っていながら、つい自分から「男尊女卑」的な行動を取ってしまう女性をさす言葉で、エッセイスト・酒井順子さんの同名の新著がその原典である。

ビジネスの現場で言えば、男性と組んで仕事をするとき、つい1歩引いたスタンスを取ってしまう。管理職の肩書もついているのに、会議の席で上座に座ることをためらう。接待の席であればついお酌をし、かいがいしくサラダを取り分けたりしてしまう……。

「何%ぐらいの女性が『男尊女子』なのかと聞かれることがありますが、基本的にはほとんどすべての女性の中に、程度の差こそあれ同じような感覚があるように思います」と、酒井さんは言う。あなたが今いる職場でも、もちろん日々同じことが起きているはずだ。

男尊女卑が時代錯誤とほぼ同義語といえる現代の日本で、なぜそんなにも「男尊女子」があふれているのか。酒井さんはその経緯として、3つのパターンを挙げる。

■24時間365日、男側の「願望」を読む

まずは「染み込み文化」型の男尊女子。

学校や社会はもちろん、子供時代からの親のしつけなどを通して、「男を立てる」「女は1歩下がる」的な感覚を、長い時間をかけて身につけてきたケースだ。

「人によって濃い薄いの差はあると思いますが、疑問を感じる前に体の中に入っている感じでしょうか。人に会ったらお辞儀をするというのと同じぐらいに、作法として染み込んでいるわけです。私自身、自分にはあまりないと思っていたのに、就職したときに意外とそういう部分があるんだと気づいた経験があります」

■「バリキャリ」が疲れ果てた結果

次に、「そのほうが楽」型の男尊女子。働く女性が当たり前になった今でも、多くの職場では昔ながらの「男性中心文化」が生き残っている。

「働く時間も働き方も、今まではすべて男性がルールを作ってきて、いわば『男性仕様』になっている。そこにあらゆる点で合わせていくのは、女性にとってはやはり大変です。無理をして男並みに頑張っても、体を壊したり、あまりモテなくなったり(笑)」


酒井順子●1966年、東京都生まれ。立教大学卒業。高校生時代からエッセイストとして活躍。広告会社勤務を経て、『負け犬の遠吠え』で講談社エッセイ賞、婦人公論文芸賞を受賞。『ユーミンの罪』、『子の無い人生』など著書多数。

それよりは1歩下がって、男を立てていたほうが楽に世渡りできると気づいてしまったケースといえる。バリバリ働いてきたベテランのキャリア女性が、疲れ果ててこの境地に至る例も少なくないとか。

そして最後が、男性側の「立ててほしい」願望をつい読んでしまう「男の願望を忖度」型。来客や会議のときに率先してお茶を入れてしまったり、年配の参加者が多い宴席でつい空気を読んでお酌をしたり。

「難しいのは、女性社員がお酌をしないことに驚くクライアントもいれば、お酌をすることで逆に『おたくの会社は民度が低いのか?』と感じるクライアントもいるだろうということです。そういうことを考えながら、都度相手を見て空気を読むことを、多くの女性は子供の頃から毎日ずっと続けてきているわけです」

若い世代でも、この構図は基本的に変わらない。むしろ先輩世代の働く女性が「仕事か結婚か」の二者択一を行ってきたのに対し、若い世代は「仕事も結婚も子供も」手に入れる可能性をあきらめていない。

「少子化が進むところまで進んだ反動として、女性たちの間では『子供がいるって実はいいことかも』という感覚が広がっています」と酒井さん。一方で若い男性の間では「草食化」が進行し、結婚願望は薄い。「『結婚して子供をつくってもいい』と考える男性は、今や希少なのです」。

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