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選挙の話は一休み

 「コーヒー牛乳」や「フルーツ牛乳」は、現代では商品名として表示することが出来ません。成分調整の有無や乳固形分の割合など、しかるべく条件を満たしたものだけが「牛乳」と名乗ることが許される、そう省令で定められているわけです。条件に満たないものは「加工乳」であったり、「乳飲料」として区別されているもので、コーヒー牛乳なんかは「乳飲料」になってしまうのですね。

 似たようなところで「アイスクリーム」「アイスミルク」「ラクトアイス」の区別もありますし、「ジュース」の名前で販売できるのは果汁100%のみ、なんて法律もあります。まぁ、この辺は今更の話でしょうか。ともあれ日本は総じて「食」関係は五月蝿いだけに、細かく定めがあるわけです。その反面、緩い分野では本当に緩いと言いますか、無法地帯と化している局面もありますよね、例えば労働関係とか。

 ……で、私が思いついたのは「奨学金」の話です。この辺も在学中の利息負担や返済開始時期なんかで「奨学金とローンの違い」がなくはないようですが、もう少し牛乳やアイスクリームの場合を見習っても良いような気がします。つまり、より利用者の安全を担保できるように基準を厳しくする、安易に奨学金を名乗れなくするような制度も必要なのではないかと思ったわけです。

 具体的には「奨学金」と表示することが許されるのは給付型のみの場合で、貸与型のは無利子の場合に限り「奨学貸与金」とし、有利子の奨学金は「教育ローン」、これまで教育ローンと呼ばれてきた商材は単純に「ローン」との表記しか認めない、ぐらいはどうでしょうか。間違いなくそっちの方が、実態と品名が一致しているような気がします。

 親世代の貧困化で奨学金を称する教育ローンに頼らざるを得ない若年層が増えている、しかし給与水準が低くや非正規率の高い日本の労働環境では、卒業後に奨学金=教育ローンを返済するのが難しい、そういう人が増えているわけです。この辺は21世紀の日本経済の欠陥もさることながら、高騰する学費の問題もありますし、その背景には一貫した日本の教育軽視もあります。対処が必要なものは山のようにありますが、どうしたものでしょう。

 名前によって誤魔化されてしまう、間違ったイメージが植え付けられてしまう、そういう代物はたくさんあります。法人税の「実効税率」なんてのも実態に合わせるなら「額面税率」ぐらいに書く方が正しい理解が広まることでしょう。しかし、間違ったイメージの方を好ましく感じている人もいるのかも知れません。言葉が違えば印象も変わる、印象が変われば世論の反応も異なりますから。

 そして奨学金も然り、奨学金を返済できないとなると(元)学生側が悪いようなイメージも作られがちですが、「若者がローン漬けにされている」となればどうでしょうね。決してそれだけで片付くような代物ではありませんが、ちょっとした規制で少しでも風向きを変えられることが出来れば、僅かなりとも上積みにはなるかな、と思ったわけです。

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