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硬貨を加工すると罰せられる

手品用コインを製造するために硬貨を傷つけたとして、警視庁保安課は5日までに、男3人を貨幣損傷等取締法違反の疑いで逮捕した(日経新聞電子版より)。

 このように硬貨を加工すると法律で罰せられることをご存じであろうか。

 日本の通貨を規定している「通貨の単位及び貨幣の発行等に関する法律」、いわゆる通貨法によると、政府貨幣とは日本政府、この場合には財務省が発行する通貨となる。私たちが利用している一円、五円、十円、五十円、百円そして五百円の硬貨や記念硬貨などがある。これらの硬貨は、日銀が発行する日銀券、つまり千円、二千円、五千円、一万円という紙幣の補助通貨としての役割を持っている。

 通貨法の第4条には貨幣の製造及び発行について、「貨幣の製造及び発行の権能は、政府に属する」とあり、貨幣は政府が製造して発行している。さらに財務大臣は、貨幣の製造に関する事務を独立行政法人造幣局に行わせるとあり、製造は造幣局が担当している。貨幣の発行は財務大臣の定めるところにより、日銀に製造済の貨幣を交付することにより行うとされる。

 つまり硬貨は、政府が製造したあと日銀が引き取り、その後、金融機関が日銀に保有している当座預金を引出し、日銀の窓口から受取ることによって世の中に出回る仕組みとなっている。

 その硬貨はその目的にかかわらず、故意に損傷したり鋳つぶすことは「貨幣損傷等取締法」により禁止されている。一円貨幣であっても穴を開けるなどの損傷行為は同法に抵触し、罰則が適用される(財務省のサイト「一円硬貨に穴を開けても良いですか」より引用)。

貨幣損傷等取締法

第1項 貨幣は、これを損傷し又は鋳つぶしてはならない。

第2項 貨幣は、これを損傷し又は鋳つぶす目的で集めてはならない。

第3項 第1項又は前項の規定に違反した者は、これを1年以下の懲役又は20万円以下の罰金に処する。

 この法律は昭和22年(1947年)に補助貨幣損傷等取締法として成立したものが、昭和63年(1988年)に通貨の単位及び貨幣の発行等に関する法律附則14条により「貨幣損傷等取締法」と改題された。

 昭和22年(1947年)と言えば終戦直後であり、ハイパーインフレが押し寄せ、物不足も加わり、当時は貨幣価値よりも金属としての原料価値のほうが高かくなったことから、貨幣価値を安定させて経済を復興させるべく、このような法律が成立したとみられる。

 ちなみに日銀が発行している日銀券(紙幣)については、同様の法律はないが、偽物のお金(偽札・偽貨)を作ったり、使用したりすると刑法で罰せられる。

通貨偽造・通貨変造罪(刑法第148条第1項)

偽造通貨・変造通貨の行使罪(刑法第148条第2項)

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