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どこかおかしい今朝の日経ー民間の臍帯血バンク破産に伴う預け先変更交渉に対しての異議

今朝の日経と東京に同じ記事が載っていた。

「民間臍帯血バンク破綻、所有者不在で預け先交渉、保管1500人分、行方に不安も」
相当のスペースを割いているから、深刻な問題なんだろうと思って中身を読んだ。

「白血病治療などに使われる臍帯血を個人から有料で預かる茨城の民間バンクが破産し、保管する約1500人分の臍帯血の新たな預け先探しが所有者や現経営陣の同意のないまま進められる事態となっている」、ということを問題視し、「民間臍帯血バンクは全国に数社あるが、経営破綻は初めて。業界に法的規制はなく、同社の社長は『引受先にきちんとした保管技術や施設があるかどうか分からず、どう扱われるか心配だ』と話している。」
と、書いている。

日経と東京の二紙に同じ記事が載るというのは、共同の配信記事なのだろうか。
破産会社の社長のコメントをことさらに大きく取り上げているところに、この記事の執筆者の破産手続きに対する無理解が現れているようだ。

破産管財人が選任されている以上、破産会社の代表者は破産管財人の管財業務に協力するのが筋で、管財業務について批判がましいコメントをしているのは、何かおかしい。
破産管財人に対し、引受交渉相手の名前や交渉条件を開示するよう求めているのも、何かおかしい。
この記事を書いた執筆者の関心は、臍帯血の所有者の同意なく破産管財人の交渉が進められていることに疑問を呈しているが、多数の利害関係人がある時に個別の所有者の了解を得なければ預け先変更の交渉も出来ない、ということになれば、そもそもこうした企業の迅速、かつ公正で的確な破綻処理など出来なくなる。

それとも、この記事には直接言及されていないが、特に記事にしなければならないような特別の事情でもあったのだろうか。
先般の宮内庁長官の記者会見と同様、何か裏がなければこんなに大きな記事にはならないはずだ。

多くの方からすれば、へー、そんなもんか、と見過ごしてしまうような記事だが、法律家の立場からすると何か違和感を感じるような報道振りである。
そのためにこそ破産手続きが用意されているのであり、この記事の執筆者の指摘は、どこかおかしい。

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