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布川事件の再審開始決定の確定を受けて、これを今後の司法にどう活かすか

過ちが明らかになるまでに、こんなにも時間がかかるものか。
改めてそう思う。

こんな過ちを警察も、検察も、さらには裁判所もしていたのか、と驚きもし、呆れもする。
こんなことがあってはならない。
40年以上もご自分の冤罪を訴え続けてこられたお二人の被告に、改めて心からお詫び申し上げたい。

こんなことを二度と繰り返してはならない。

自白を偏重してきた日本の刑事裁判の欠陥がこの布川事件には如実に表れている。
警察の取調べで一旦自白調書を取られると、後で自白を撤回しても裁判所が信用しない、というところに問題の本質がある。

供述調書は、言ってみれば聴取者の聴取内容を警察官が後で綺麗に、かつ分かりやすく整理して記述した作文である。
供述者は、供述調書の末尾に、読み聞かせていただいた内容には間違いありません、と確認の署名指印をするだけ。
それだけで、膨大な供述調書の記載内容が裁判手続き上、本人が供述した内容として取り扱われることになる。
後で供述調書の内容は間違いでした、と言っても、もう後の祭り。
これはあなたの署名ですか、調書の内容を読み聞かせてもらったことはありますか、そのとき何か訂正してもらったところはありますか、調書の作成の時に暴力を警察官が振るったことがありましたか、といった表面的な質問の問い答えで調書の信用性が判断されてしまう。

警察の取調べの現場を知らないから、裁判官は警察の調書を信用してしまう。
検察調書なら、なおさらのことである。
警察官や検察官が嘘を吐くはずが無い。
そう思い込んでいるはずだ。

検察が警察の取調べをしっかりチェック出来ていれば、冤罪は未然に防げることが多いが、警察と検察の間には協力関係こそあれ、相互間に牽制や対立、緊張関係というのは生まれにくい構造になっている。
検察と警察が一緒になって間違った捜査をしてしまったケースや、検察が間違った捜査を主導したケースもないとは言えない。
最終的に裁判所が人権保障の最後の砦の役割を果たさなければならないのだが、これがなかなか機能してこなかった。
とんでもないことである。

そういう反省が司法改革運動になり、さらには裁判員制度の導入に繋がってきた。
今、ようやく司法改革の成果が挙がってきたようだ。
布川事件の再審決定にも多少の影響があったかも知れない。

結局、私たちの権利や生活を護る最後のよりどころは司法であり、裁判所である。
今日、最高裁判所が布川事件について検察側の特別抗告を棄却し、一審、二審の再審決定を支持した、ということで、日本の裁判所がようやく本来の役割を果たし始めていることを確認した。

ささやかな救いである。

政権交代によって、日本は現在とてつもない迷走を続けている。
政治も行政も悲惨極まりない状況にある、と言って良い。
しかし、日本の司法は、この渦に巻き込まれること無く、これまでの司法改革の成果を絶対に後戻りさせず、更に前進して欲しい。

これが、私の願いである。

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