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学校より学校らしい学校?=夜間中学。全国に公立の夜間中学は31校、自主夜間中学は29校

「夜間中学」というと、どんなところをイメージしますか?

もともとは戦後、昼間に働く子どもたちのために生まれた「夜間中学」。
さまざまな事情で義務教育を修了できなかった人が通う場所として、公立中学校で夜の時間帯に授業を行う「夜間学級」、市民が運営する「自主夜間中学」の二つがあり、それぞれ全国に31、29あります。いずれも時代や社会の変化に応じて、いまは外国籍や不登校の生徒たちも多く学んでいます。

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ビッグイシュー日本版320号では、そんな包摂的な学びの場である「夜間中学」にクローズアップし、市民による運営、国籍、年齢、人生経験が多様な人たちの学びの様子を取材しました。

7、8割が外国籍の生徒たち。不登校だった若者、漢字を学びなおす77歳もともに学ぶ/埼玉県 川口自主夜間中学

人口の約5%を外国籍の人々が占める埼玉県川口市。公立夜間中学がない埼玉県にも自主夜間中学をつくろうという運動が始まり、1985年に川口自主夜間中学が開校。

当時埼玉県には、1万人以上の義務教育未修了者と都内の公立夜間中学に通う20人以上の生徒がおり、川口市ではその数が最も多かったそう。

最初は不登校の子供を中心に少人数で学校の先生や学生、会社員などがマンツーマンで教えていましたが、次第に外国籍の生徒が増えてきたと言います。

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必ずしも困窮している人ばかりではなく、中国人プログラマーが「日本語を話す練習」として利用したり、若いころは奉公で学校に行けなかった77歳が漢字を学びなおしに来たりなど、ニーズは様々。

それだけに、教える側も生徒が歩んできた人生に教えられることも多々あるといいます。

一生懸命勉強してきた人の夢をかなえるための「川口自主夜間中学育英基金」も創設し、看護学校に合格した女性の学費を支援してきた実績もあるとのこと。

グローバルなコミュニケーションが繰り広げられる教室の様子は本誌にて詳しく紹介しています。先生大募集、生徒も常時募集とのこと。川口自主夜間中学、一度覗いてみませんか。

川口自主夜間中学
火曜日:かわぐち市民パートナーステーション(JR川口駅東口キュポ・ラ本館棟 M4階)
金曜日:幸栄公民館(川口市幸町3-8-33)
18時30分~20時30分
http://night-shool.org/
関連書籍: 月明かりの学舎から 川口自主夜間中学と設立運動三十年の歩み

学校の運営費はイベントでたこ焼きを売って自分たちで稼ぐ!/千葉県 松戸自主夜間中学校

松戸市でも、1979年に公立夜間中学の開設を求める運動があったことをきっかけに、市民の会が結成され、1983年に松戸自主夜間中学校を開校。
当初は戦前・戦中・戦後の混乱で学ぶ機会を失った在日韓国・朝鮮の人、中国からの引揚者と家族、丁稚奉公や子守などの家庭の事情で学校に通えなかった人など12人の生徒を教えていましたが、障害のある生徒も増えてきたのを受けて、小規模福祉作業所まで開所。
ひきこもりや外国籍の生徒も、それぞれ学びたいことを勉強しに来るといいます。

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学校の運営には会場費などで年間75万~100万ほどがかかりますが、会費や寄付で足りない分は地元の祭りやフリーマーケットで生徒と先生が一丸となってたこ焼きで稼ぐんだそう。

中学校で数学の教師をしていた男性は退職後、先輩の勧めで松戸自主夜間中学校で生徒たちに教えていて「公立の学校では子どもも教師も型にはまって窮屈そうだけど、ここは自分が勉強したいことを教えてもらえる、学校より学校らしい学校です」と語ります。
そんな学校を運営する校長の榎本さんの言葉は、本誌にてご覧ください。

松戸自主夜間中学校
火曜日:18時~21時 
金曜日:15時~18時、18時~21時
松戸市勤労会館(松戸市根本8-11)
https://matsudoyakanchu.jimdo.com/
関連書籍:新たな出発(たびだち)の今(とき)―松戸自主夜間中学校の30年

「よみかき教室は自分のメガネ。見えなかったものが見えるようになった」/福岡 自主夜間中学「よみかき教室」

1966年に最後の1校が閉鎖して以来、公立夜間中学は1校もない九州ですが、自主夜間中学「よみかき教室」は開校20周年を迎えました。
福岡市立千代中学校の校門には、毎週水曜・金曜には「だれでも、いつでも、さんかできます」という案内板が設置されます。

外国にルーツがあり貧困が原因で学校に通えなかった80代の人や、両親のネグレクト・担任の先生との葛藤があり学校に通えなかった50代の人など、様々な境遇の人がお互いを気遣い、励まし合いながら学んでいます。

最高齢の90代のおばあちゃんは「よみかき教室は自分のメガネ。見えなかったものが見えるようになった」と語ります。
ここは社会の縮図だと語る共同代表の栗山さん、大塚さんの「よみかき教室」に込めた想い、願いは本誌にて。

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▲教室の様子。壁の「学ぶことは生きること」のスローガンが胸に迫ります。

その他、特集では”夜間中学の歴史と今”を 関本保孝さんに取材しています。

参考書籍:
社会的困難を生きる若者と学習支援――リテラシーを育む基礎教育の保障に向けて

ビッグイシュー319号ではこのほかにも、
・スペシャルインタビュー:ジャネール・モネイ
・国際:「ブラックスプロイテーション」。米国、70年代初頭に花開いた黒人映画
・ワンダフルライフ:自分の強みを掘り下げ、行きついた“サメ”――サメ・ジャーナリスト沼口麻子さん
など盛りだくさんです。

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