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太陽光関連事業者、新規導入市場が減少傾向 倒産件数も過去最多ペースで推移

 固定価格買取制度関連発電システムの新規導入市場が太陽光の新規参入減少により縮小傾向にある。買取価格の下落なども影響しているようだ。

 株式会社富士経済は再生可能エネルギー発電関連の国内市場について調査を実施し、その結果を9月7日に発表した。調査は6月から8月にかけて、参入企業や関連企業・団体などへのヒアリング、関連文献調査などにより実施された。

 2017年度の固定価格買取制度(FIT)関連発電システムの新規導入市場は2兆894億円で、2025年度には2017年度の6割弱に相当する1兆2,061億円まで縮小するとみられている。2017年度の同市場は太陽光が約8割を占めているが、その他(風力、バイオマス、水力、地熱)の割合が前年度より増えている。市場をけん引してきた太陽光の縮小により、同市場も縮小していくと予想されている。

 太陽光の新規導入市場は2014年度をピークに減少を続けている。2017年度は認定失効を回避したみなし認定案件の導入が進み、2019年度まで継続するとみられている。みなし認定は2016年度までに旧制度で認定を受けた案件のうち、新制度での認定を受けたとみなされる場合を「みなし認定」として区別している。みなし認定は、運転開始までの猶予期間が住宅用で1年間、産業用で3年間あるため、当面は同市場を下支えする。しかし、その後は買取価格引き下げの影響で、太陽光の新規参入導入市場は縮小していくとみられている。

 そんな中、東京商工リサーチは9月7日、2017年1月から8月までの太陽光関連事業者の倒産状況を発表した。調査ではソーラーシステム装置の製造、卸売、小売を手がける企業、同システム設置工事、コンサルティング、太陽光発電による売買電事業等を展開する企業を太陽光関連事業者と定義して集計した。

 8月までに倒産した太陽光関連事業者は前年同期比63.9%増の59件に達し、2000年の調査開始以降で最多だった2016年の65件(1月から12月)を上回るペースで推移している。一方、8月までの負債総額は前年同期比7.1%増の191億7,400万円で、過去最多だった2016年の242億4,100万円(1月から12月)を上回るペースだ。ただ、2017年は負債1億円未満の小口倒産が30件(前年同期17件)と多く、倒産件数の増加ほど負債は増えていない。

 倒産の原因をみると、最も多かったのは「販売不振」の50.8%で、以下、「事業上の失敗」(11.8%)、「運転資金の欠乏」(8.4%)が続いた。また、前年同期に発生しなかった「売掛金回収難」が6.7%発生したほか、「既往のシワ寄せ」「販売不振」「売掛金回収難」を合算した「不況型倒産」が66.1%で、前年の58.3%から増加した。

 太陽光関連市場は安い海外製品の流入や、固定価格買取制度の見直しに伴う買取価格の下落などの影響で、厳しい経営環境におかれるケースが増えているようだ。

サイトウ イサム[著]、加藤 秀行[著]

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