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ひきこもりの中の「セクシュアルマイノリティ」がどう顕在化するか

■「女子会」

最近、「ひきこもり女子会」が盛況だという。この記事(「ひきこもり女子会」が盛況な3つの理由 実態調査から漏れる主婦、家事手伝い…)によると、東京で開かれた「女子会」にはなんと100人も集まり、地方から訪れた方も珍しくなかったとか。

僕は、以前より「ひきこもり女子」の存在を知っており、その存在をなんとかポジティブに顕在化したいと思っていたので、この動きは嬉しい。

実はこれは「高齢ひきこもり」のポジティブな側面で、ひきこもりの中核世代である団塊ジュニアたちが続々と40才になっていることと関係する。

悩みの中身としては10代や20代の頃から変わらず傷つきやすいものの、なんというか、少し肩の力が抜けおおらかになっている。ある意味「諦め」もそこにはあるのだが、ユーモアも混じり始め、肩の力が抜けている。

これは「女子会」だけではなく、ひきこもりの「ピアサポート」にもいえることだ。

僕の法人でも「スズキくん」というひきこもり経験者を3年前から雇用し高校生居場所カフェスタッフや会計入力などをやってもらっているのだが、スズキくんの本質は若い頃から変わらないものの(現在43才)、昔に比べて本当に肩の力が抜け「いい味」を出している(この頃は彼と一緒に僕は講演したりもしている)。

ひきこもり女子たちも、オピニオンリーダー的な方々は40才前後となり、自分たちのことを語れるようになり、その動きに20代や30代の方々が連動するように励まされているように僕には映る。

先日も20代のひきこもり女子と僕は出会ったが、1ヶ月に1度程度関西で開かれる「女子会」にとても勇気づけられていると話していた。

家事手伝い等の名目で長らく潜在化させられていた女性たちがポジティブに名乗り交流することは喜ばしい。

■発達障害、そして

これは「発達障害」にもいえ、10年ほど前から囁かれ始めた「ひきこもりの中にはかなりの割合で発達障害の人々がいる」という話はやっと顕在化された。

だがそれはすぐに差別的な議論になっていったものの、杉山登志郎医師他の発信の尽力もあり(杉山医師が唱えた「発達凸凹~デコボコと読む」というかわいらしいブランディングが効いた)、いっときのバイアス感が最近は変化し始めているように僕は感じる。

発達障害は「生きづらさ」の1つとして、ようやく社会が捉え始め、制度的にはまだまだではあるものの(障害者手帳やスポーツ大会等)、長い時間のなかでは徐々に変化していくと僕は読んでいる。

何よりも才能豊かな方々が多数いる発達障害当事者の「発信」力に期待する。

そして、だ。「ひきこもり」という単なる状態像を示す言葉に潜在化している最後のマイノリティ問題がある。

それこそが、セクシュアルマイノリティ、性的少数者の問題だ。

■セクシュアルマイノリティ

最近は、マツコ・デラックスほかの多くの「オネエ」タレントの活躍、LGBTという言葉の浸透、大都市の役所も積極的にセクシュアルマイノリティの支援に乗り出す(大阪市淀川区 レインボー、はじめました)等、セクシュアルマイノリティを支援する動きは確実に拡大している。

が、社会的には盛り上がりを見せてはいるが、子どもと若者の「現場」では、なかなか当事者はオモテに出にくい。差別や偏見はあらゆるところに偏在し落ちており、それがいつどこで出現するかわからない。

あまりにもそれは偏在し、あまりに突然やってくるので、当事者たちは怯えている。

そして傷つき、ひきこもっている。

結果として、「ひきこもりの若者」あるいは「不登校の10代」としてその存在はくくられる。当事者からすると、実はそのほうが安全だったりする。

超残念なことに、ひきこもりや不登校にかかわる人々(教師や支援者)も無意識のバイアス(偏見)をもっていたり、人によっては平気で差別する人もいる。

繊細なオネエタレントたちはそれでも自分たちをネタにして笑いをとるが、そこに行き着くまであの方たちはどれだけ傷ついてきたか、容易に想像できる。

傷つきのなかで、マツコたちは自分をネタにできる。

が、性自認も性対象も明確ではない若者たちにとって、自分をネタには決してできない。当然反発もできない。メジャーな社会からひきこもり、くらやみで泣く。

そして、勇気をもって出てきた支援施設でも簡単にからかわれ、からかわれている時間の中ではみんなといっしょになって笑っているものの、一人になった時、泣く。そしてひきこもる。

■まだ共有化されていない

自分は決して悪くはない。バカにされる存在でもない。自分には尊厳がある。そして社会とは、虹のように多様で美しく、自由な瞬間は確かにあるみたいだ。

だから自分はその時を求めて長い時間を旅しよう。

多くのバイアスやアウティングに晒された当事者の方々がその境地に立つことができるまで、10年20年30年という長い月日が必要のようだ。

それまではまだ「ひきこもり」という言葉のほうが意味としては曖昧すぎるにしろ、安全ではある。が、バイアスをもった支援者たちは危険因子でもある。

セクシュアルマイノリティという存在がひきこもりの中に多数含まれていることは、ひきこもり支援業界内でもたぶんまだ共有化されていない。

だからバイアスをもつ支援者も存在するのであるが、いつまでも潜在化していては、当事者たちの息苦しさと不自由さは続く。くらやみの中の涙を、ゆっくりとでも減らしていく時期が来ていると僕は思う。

我々が思うほど我々の社会は風通しはよくないし、自由でもない。こうしたネット発信や少数の集まりも含め、ひきこもりの中のセクシュアルマイノリティについて、僕は発信していきたい。★

※Yahoo!ニュースからの転載

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