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大人の女性のシェアハウス入居増加 離婚の第一歩にする例も

【大人の女性のシェアハウス入居が増加する理由(写真/アフロ)】

 昨今、生活の拠点としてシェアハウスを選ぶ人が激増しているそうだ。シェアハウスを紹介するウェブサイトを運営している、ひつじ不動産の大竹菜々子さんが言う。

「2005年に弊社のサイトで全国120軒ほどだったシェアハウスの掲載件数は現在、2700軒まで増えています。若い世代だけでなく30~40代の女性の入居希望者も増えています。晩婚化で女性がひとりでいる時間が長くなりました。昔ならひとり暮らしは結婚までの仮暮らしとされましたが、今はひとりの時間も心地よく充実した暮らしをしたいという女性が多い。広いリビングやキッチン、明るいテラスなどがあるシェアハウスは、そうした新しいニーズに合致しています」

 さらに最近は「ヨガスタジオ」「ジム」「シアタールーム」など+αのある“併設型”シェアハウスも登場した。こうした付加価値がますます人気を高めていると言うのは、『大人のためのシェアハウス案内』(ダイヤモンド社)の著者の西川敦子さん。

「未婚化が進み、会社も終身雇用が前提でなくなった今、大人の女性が頼りにするのはお金と友達です。彼女たちがシェアハウスに求めるのは、コミュニティーを持つための出会い。ヨガスタジオやジムといった付加価値のある物件は、共通の趣味趣向を持つ人と出会えるチャンスが広がるので人気です」

 シェアハウスのルーツは、1980年代、来日した外国人が複数人で住んだ「ゲストハウス」が始まりだとされている。その後、異文化に触れるためにあえてゲストハウスに長期滞在する日本人が登場し、個室がありながら共有スペースで住人が交流する生活スタイルが徐々に知れわたった。

 外国人主導だったシェアハウスを一気に世に広めたのは、2012年に放送が始まったフジテレビ系『テラスハウス』だ。若い男女がおしゃれな家で共同生活を送り、恋の駆け引きや友情が芽生えるといった“リアリティー”を描いた番組は大反響を呼んだ。

 同時期には若者に人気のバンド『SEKAI NO OWARI』のメンバーが共同生活を送る『セカオワハウス』も注目され、“シェアハウス=おしゃれで最先端”というイメージが浸透した。前出の大竹さんも、テレビ番組のシェアハウス特集を見て入居を決めた1人だった。

「社員寮をリノベーションした100人規模のシェアハウスを内見して、広いシアタールームやバルコニー、充実した設備が整うキッチンに一目ぼれしました。周りからは『30代になって赤の他人と暮らすなんて無理だよ』と猛反対されましたが、いざ住んでみるとすごく快適でした」

 何より嬉しかったのは、「仲間」ができたことだ。

「広いシアタールームに10人くらいの女子が集まって、ケーキを食べながら恋愛映画を鑑賞するんです。『あそこがよかった』『ここが素敵ね』と言い合うのがすごく楽しかった。のんべえ住民が集まって“日本酒の会”もやりました(笑い)。世代の違う住人とコミュニケーションをとる機会もたくさんあって、『世界はこんなに広かったんだ』と実感できました」(大竹さん)

 その後、別のシェアハウスに引っ越した大竹さんだが、当時の仲間とは今も一緒に旅行する仲だという。シェアハウスには、「人がいる安心感」があると大竹さんは指摘する。

「『テラスハウス』のように毎日パーティーするわけではないけれど、適度な距離感があって自分の生活を大切にできる。その一方で、ひとりで暮らすのではなく、住人と『おはよう』『おかえり』とやり取りするだけで安心できます」

 それまでの生活を断ち切るため、シェアハウスに入居する女性もいる。鈴木昭子さん(仮名・51才)は、夫との冷え切った関係を清算し、離婚する第一歩としてシェアハウスを選んだ。

「夫から逃げるようにして住み始めた私にとって、身一つで住めて、敷金礼金がないことが単純にありがたかった。ひとりになりたい、と飛び出してきたけれど、人間って本能的にひとりで暮らすようにはできていないのかな、とシェア生活を経て思うようにもなりました。最初は“仮の宿”と思っていたシェアハウス生活も今年で4年を迎えます」

 女性クリエーターが作る人気ウェブサイト『箱庭』が運営する女性専用シェアハウス『箱庭の住めるアトリエ』(東京・杉並区)は、住人が相互に刺激し合うことで新しいビジネスやクリエーティブを生み出すことを目的としている。『セカオワハウス』同様、クリエーターたちもシェアハウスに注目しているのだ。

 充実した設備のもと、共に暮らす仲間ができ、ひとりの時間も持てるうえ、クリエーティブな発想も広がるというわけだ。

※女性セブン2017年10月5日号

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