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日米の金融政策会議にみえたもの

今週、日米の中央銀行の定例の政策会議が行われました。どこの中央銀行も年に10回程度の会議を行い、金融政策を決議しますが、3、6、9、12月は節目の月で比較的大きな判断がなされる月とされます。特にアメリカの場合、政策会議後に議長の記者会見がある月とない月ではその踏み込み方が変わるとされます。大きく踏み込む判断をする場合、ステートメントだけではなく、記者会見で追加の説明をしなくては市場と十分にコミュニケーションが取れないからであります。

重要決議がありそうなその9月のアメリカの政策会議の主たるテーマは二つ。一つはFRBの保有資産の縮小化プログラムの開始、もう一つは金利動向であります。事前に専門家が予想したのは縮小化プログラムは開始、また、利上げは今回はないでありました。また、実際に発表された内容もその通りでした。よって発表された事実についてはサプライズはありません。

では何に反応したかと言えば12月利上げに含みを持たせたこと、18年から19年にかけての利上げ予想も変わっていないこと、ただし政策金利は2.75%でピークとなりそうだということだったと思います。

これはFRBが現在の経済状況について思ったより強気であるといえますが、市場は12月の利上げについてはまだ5分5分ではないかという見方です。個人的には戦争などの想定外の事態が生じない限り利上げはないとみています。また、カナダのTDバンクの見方は数日すればこのテンションも下がってくるとみており、FRBの期待と経済の実態は必ずしも一致しないだろうと読んでいます。

最大の流動的要素は二つのハリケーンがもたらした経済への影響であります。雇用統計、自動車販売、住宅着工件数、リテール販売など様々な経済統計にそれらの影響が出るのは10月以降に発表される数字になります。

個人的にはハリケーンの被害地域には比較的貧しい人も多く、保険や生活の立て直しなどの算段を持たない人がかなり多いことから利上げできるような環境にないと考えています。イエレン議長も当然、それはわかっているはずなのに今までのトーンを強調したのは来年2月の任期満了が近いことでポリシー変更をしたくないのだろうとみています。

では次期議長は誰になるのか、ですが、まったく混とんとしています。ブルームバーグは6名の候補としています。もともと本命は国家経済会議議長のコーン氏とされていましたが、私はないとみています。コーン氏とトランプ氏が相思相愛になっていません。よって個人的にはイエレン議長の再任が本命、対抗はFRB元理事のケビンウォーシュ氏だろうとみています。ウォーシュ氏は家柄がよくトランプ氏好みのはずです。(特に奥さんの方です。)ただ、イエレン氏の性格からすれば自分がやろうが、他人に引き継ごうがポリシーを持ってきちんとやるという姿勢を持つ正統派のまじめな方ですので今から2月の交代まではFOMCからはなんら面白いネタは出てこないとみています。

次いで日本です。もはや、経済新聞以外はニュースネタにもならなくなった異次元男、黒田総裁ですが、彼も来年4月に任期を迎えます。そして日銀総裁は二期続けてやるのは異例ですし、日銀としては日銀生え抜きから持ってきたいところでしょう。

では安倍首相はどう考えているのか、ですが、これも私の推測ですが、黒田氏に対しては比較的ニュートラルな目線のような気がします。一時期険悪な雰囲気もあったと理解していますが、首相が金融政策でできる限界を認識したのだろうとみています。よって、日銀総裁へマジシャンのような期待をするのはもう無理、と見ていないでしょうか?

但し、外野は黙っていないかもしれません。あれだけ大見得を切った2年2%のインフレはそのタイミングを延ばす一方であり、「できないならあんなに断言するな」と思っている方もいらっしゃるでしょう。その点からすれば専門家は黒田氏続投とみていますが、私は?を感じています。

そのほとんど注目されなくなった日銀の9月の政策会議は緩和維持決定であり、総裁は「必要あらばさらなる緩和を」といういつものフレーズをふるまいました。最大の注目はインフレ傾向ですが、個人的には輸入品の価格上昇に伴うインフレが懸念されますが、スタグフレーションになるような状況にもなく、18年末から19年初頭まではディスインフレが続くとみています。19年春から夏にかけて消費税増税前の駆け込み消費があり、少し盛り上がりそうです。通常、消費税上げ後は大幅に落ち込みますが、オリンピック前で今までほどは落ち込まないで済むとみています。

最近は日米の金融政策より欧州、英国、カナダ、オーストラリアなどの行方の方が為替を含めた影響度は大きいとみています。そういう意味では日本の金融政策は世界からの注目度は下がる一方とみています。

では今日はこのぐらいで。

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