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小池新党の虚と実

 昨年夏の東京都知事選挙、今年夏の都議会議員選挙と、小池百合子元衆議院議員の勢いが止まらない。自民党は安倍総理の森友、加計問題や、魔の2回生をはじめとする不祥事続きで支持率を下げ、民進党は共産党を含む野党共闘を巡って路線論争が絶えず、五月雨離党を止められない。

 小池知事の勢いは、点数を下げた国政2大政党の受け皿として、漁夫の利を得た形だが、一方で都政のスタンスが定まらず、国政への進出も何を目的とするのか、未だに曖昧である。知事側近の若狭勝衆議院議員が突然「一院制を目指す憲法改正」を看板に掲げたが、知事から憲法改正や一院制に関する積極的意見を聞いたことは記憶になく、如何にも唐突感が否めない。

 東京都政の重要課題である築地市場の移転について、小池知事は態度をようやく固めたものの、あまりにも判断が遅過ぎて新たな補償問題も起きつつある。また築地も再利用するというが、どのような形になるのかが示されず、出入り業者の多くが右往左往している。2020東京オリパラの前に完成予定の都道2号線、選手村と国立競技場を結ぶ幹線だが、既に道路の地下化は断念され、地上での暫定工事もギリギリのタイミングとなっている。東京オリパラの成功を本当に目指しているのか疑わしくなる。

 さらに懸念するのは都議会の都民ファーストの会代表が、コロコロ変わってしまうことだ。どのような手続きでどのような理由で替えるのかも明らかになっていない。仮に小池知事の都合や好き嫌いで決まるのであれば「都民ファースト」ならぬ「小池ファースト」ではないか。

 また先日都議会がスタートしたが、ファースト議員の肉声がほとんど聞こえてこなかったことも懸念している。どうも新人議員が失言しないように、取材を制限したり、箝口令を出しているようだ。このことは小池知事が選挙中に公約した「開かれた都政」「情報公開ナンバーワンを目指す」の全く逆をやっているのではないか。

 これまで一貫して小池都政を持ち上げてきたマスコミだが、ここにきてその綻びや矛盾を突いてくるようになった。都政から国政に進出するのであれば、マスコミも国民ももっと厳しい目で注視しなければならないはずだ。

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