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もらった名刺の数は関係ない。むやみに人脈をつくろうとしない


名刺交換するビジネスマン

「朝活しています」

「異業種交流会に参加しています」

「いろいろな業界の人と積極的に名刺交換をして、人脈を広げています」

そんな勢いのある方々と、よく接する。

SNSが普及して、親しい友人知人とは、日常的なコミュニケーションが取りやすくなった。さらに、あまり親しくない人とのコミュニケーションも頻繁に行われる機会ができた。どうせなら、こうした出会いの機会をポジティブに考えたい。

ただ、それだけではダメだ。そんなものは人脈ではないといわれることも多い。仮にその出会いが「ビジネスにつながりました」「ビジネスパートナーになりました」「営業成績につながりました」ということになったとしても、それは本当の人脈ではない。

単なる「ビジネス」である。モノを売ったらお金が入った。情報を提供したら紹介料を得た。仕事を頼まれたら対価を得た。これらはすべて普通の「give and take」なのだ。それを「人脈」といってはいけない。

正直なところ、日常会話のなかであまり「人脈人脈……」という人には良い印象がない。こういう人は必ず何かの見返りを期待してくる。ちっぽけな貸し借りの話で後から面倒くさいことをいわれたりする。

では、本当の人脈とは何なのだろうか。

私の場合、自分が5000人の人と直接知り合いであることよりも、100人の人と非常に親しい間柄にある50人の人と、長く良い関係でありたいと思う。知り合いの数をただ増やすだけなら、今の時代はSNSなどを使えばいくらでも数は増やせる。

これは最近のコミュニケーションに関わる職業にもいえる。たとえば有力ブロガーといわれる人で、いくら一つの記事で何万人ものアクセスがあったとしても、私はその数自体は魅力的にはまったく感じない。極端な話、何か「炎上」に近いような過激なことを書けば、アクセス数だけはいくらでも集めることができる。ただ、こうした形でムリやり集めたアクセスは定着しない。瞬間的なアクセス数は、ネット上を刹那的に刺激から刺激へと、つねに彷徨っている。このネタに飽きたら、すぐ他のネタに跳びつく。情報が次から次へと消費されるだけだ。

多くの人が「人脈」だと思っている関係にも、こうしたただの「アクセス数」にすぎない関係も多い。

私のために一肌脱いで動いてくれる人がいる。無償の愛を感じる。いつかお返しをしなきゃいけないと思う。でもまったくお返しができていない。そして私は、「後ろめたさ」を感じる。

ところが、こういうお世話になっている人に限って、まったく見返りなど求めてこない。私は申し訳なくて、ますます「後ろめたさ」を持ちつづける。いつか何か頼まれたら、ぜひ協力させてもらいたいと思っている。そう、こういう「後ろめたさ」を相手に嫌味なく感じさせつづけることが人脈なのかもしれない。

反対に、私が何かをその人のためにしたことで、私に「後ろめたさ」を持ちつづけている人がいるかもしれない。

私はその人に対して、何もお返しは求めない。でも、いつか自分が本当に困ったことがあれば、相談するかもしれない。

もしかすると何も相談しないで一生が終わるかもしれない。

できれば、そうであればいいと思う。

このように考えていくと、「give and take」などといった見返りを期待する行為ではなく、「give and give」によってはじめて本当の人脈は生まれると思う。

やはり「人脈を求めない」「人脈人脈と口にしない」ことが、人脈につながっていくのではないか。

損得勘定をしすぎる人、ケチケチした人には、やはり人は寄り添ってこない。そして世の中のビジネス本は、あまりに安っぽく「人脈」「人脈」といいすぎる。

※ 発売中の"自叙伝"より一部を公開します。【日本テレビ・アップル・MTV・マクドナルド・ミクシィ・世界の医療団で学んだ、「超」仕事術】(方丈社)

※Yahoo!ニュースからの転載

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