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バリューを捏造するインフルエンサーは要らない

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ワインの帝王ロバート・パーカーワインの帝王ロバート・パーカー
 ロバート・パーカーというワイン評論家をご存知だろうか。
 彼の名は世界じゅうに知れわたり、彼がワインをどう評価するのか、ワイン愛好家は知りたがっている。ボルドーやカリフォルニアの高級ワインを買う際に、“パーカーポイント”を参考にする人は少なくないだろう。
 
 と同時に、パーカーはワインのバリューを掘り起こす人でもある。
 
 彼が高得点をつけたワインは、値段が高くなることが多い。もともと高級で有名なワインに限った話ではなく、無名なワインをパーカーが高く評価すると、一躍、ワインが認められて値上がりすることもある。
 
 ロバート・パーカーという人は、ワインを品定めする人であると同時に、ワインのバリューを作り出している人とも言える。まさに、ワイン界を代表するインフルエンサーだ。
 
 

ネットには怪しいインフルエンサーがいっぱい

 
 翻って、インターネットのインフルエンサーはどうだろうか。
 
 昨今のインターネットには、インフルエンサーに相当する人、インフルエンサーを目指している人が多い。何かを創作する人と同じくらい、何かを紹介する人、情報のハブ、キュレーターとかいったものに憧れる人が多い。
 
 インフルエンサーになるためのセミナーのたぐいに、人が集まるような情勢である。
 
 では、インターネットのインフルエンサー諸氏は、バリューを作り出しているのだろうか。
 
 そういう人もいる。
 
 昔の、いわゆるニュースサイト管理者は、どこからともなく無名な面白さ、無名な有用さを見つけてきて紹介していた。それで日の目を見たコンテンツも少なくないだろう。まさに、インターネット上のインフルエンサーと呼ぶにふさわしかった。
 
 その後も、インターネット上のいろいろなサービスに、同じようなインフルエンサーが現れた。それぞれのインフルエンサーの価値観を反映した、それぞれの紹介によって、新しいものが広まって、無名なものにバリューが生じた。それは、基本的に良いことだったと思う。
 
 しかし、インターネット上のすべてのインフルエンサーが、バリューを生み出したとは言い切れない。影響力のあるアカウントによる、ステルスマーケティング(ステマ)の問題は何年も前から騒がれているし、影響力にあぐらをかき、真贋の定まらないネットサービスを推すインフルエンサーもいる。
 
 無名なものにバリューを生み出すのは、インフルエンサーの良い面だが、無名であるべきもの、本来は無価値であるか有害ですらあるものに偽りのバリューを与え、平気な顔をしているようなインフルエンサーは、インフルエンサーの面汚しではないだろうか。
 
 バリューを捏造して平気な顔をして、捏造によってみずからが利益を得るようなインフルエンサーは、インターネットには要らない、と私は思う。
 
 

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