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若狭衆院議員の軽薄で短絡的な提案に唖然 - 若狭新党は“看板”かけ替えた民進党に過ぎない

小池百合子東京都知事に抱きついている若狭勝衆院議員が急きょ記者会見を開き、年内にも結成する若狭新党の基本政策に「一院制」導入を位置付ける考えを表明したという。何という軽薄で短絡的な提案なのだろうか。統治機構に関する政策哲学や思想が本当にあって言っているのだろうか疑わざるを得ない。

そもそも世界の統治機構を知って言っているのだろうか。概して先進国は二院制、途上国は一院制になっていて、いわゆるG8(英米独仏伊加露日)はすべて二院制を敷いている。そうした中で一院制を主張するのであれば、統治機構に関する何らかの体系的な思想がなければ、軽々に提案できるものではない。

ちなみに日本維新の会も維新八策以来「一院制」を提案してきているが、それはあくまでもイタリアのレンツィ首相が提案し憲法改正に挑戦したのと同じ「事実上の一院制」だ。上院議員は選挙を実施せずに地方代表が就任し、内閣不信任権は剥奪、法律審査権限も下院に集中、地方分権とセットの提案なのだ。

要するに、先進国でかつ一院制を主張するのであれば、それはイタリアが挑戦したように、一院は地方代表とし権限を厳格に制限する「実質一院制」とするのが世界の常識なのだ。そして参院を地方代表の院とするわけだから、「実質一院制」というのは道州制といった強力な地方分権政策とパッケージになる。

実際、日本政治においても、これまで一院制(実質一院制)を掲げてきた日本維新の会やかつてのみんなの党は、同時に地方分権政策を掲げ、参院を地方院とし外交防衛政策やマクロ経済政策には関与させない、としてきた。都民ファーストを母体とする若狭新党は、そうした政策体系を有しているのだろうか。

日本維新の会は、来年の秋にも大阪市を特別区に再編し大阪の大都市政策(広域行政)の司令塔を大阪府知事に一本化する「大阪都構想」の住民投票に挑戦する。政治にとって大事なことは、やってることと言っていること、つまり言行が一致することだが、若狭新党はそうした基本を満たしているのだろうか。

そもそも政治というのは目的ではなく手段である。議員であることも手段、政党を作るのも手段、政策さえも手段である。どういう地域にしたいのか、どういう国づくりをしたいのか、そうしたビジョンや政策理念なきところにいくら旗を掲げても、それは所詮、“看板”かけ替えた民進党に過ぎないのである。

なお、道州制といった地方分権政策に対しては、日本をバラバラにするのか、国を解体するのか、といったご批判もあるわけだが、私は、逆に、国の権限と責任を明確化し、その有するリソースを外交防衛政策やマクロ経済政策等に集中投下すれば、国家の統合力を更に強くしていくことができると考えている。

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