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小児の脳神経外科

脳神経外科というと、脳、もしくは頭頸部まわりの専門家だということで、 もれなく子供の脳の病気についてもその通りだと考えている方がほとんどだと思います。

実際、現実的には、 脳外科にいらっしゃる小児の患者さんの9割5分以上が、 頭をぶつけた、か、頭痛、のどちらかなので、 これらについてはもちろん一般の脳外科医でも診ることができるのですが、 たとえば手術を要するような病気になってくると話はかわってきます。

小児の脳腫瘍、 もやもや病など、その他さまざまな血管の異常、 頭蓋縫合早期癒合症、 水頭症、 などなど、 手術が必要な疾患は多々ありますが、 これらはいずれも専門性が高く、一般の脳外科医が手を出すことは少ない病気です。

では誰がこういった病気の治療を受け持つかというと、 小児脳神経外科を専門分野としている脳神経外科医です。

わたしなども、実際、たとえば小児の脳腫瘍を外来で発見したとしても、自分で治療するようなことはなく、治療は専門の医師にご紹介するようにしています。 小児の脳腫瘍などは、数が少ないことから、 通常の施設で診療をしている限りはそう経験することはありません。

小児の疾患を専門としている大学やこども医療センターのような専門特化している施設であれば別ですが、そうでなければほとんど見かけることすらないというのが実際です。 わたしが専修医として脳外科のトレーニングを受けた大学でも、しょうに脳神経外科の診療自体はおこなっていたものの、 こういった小児の脳腫瘍は年間で1,2件あるかないかといったところでした。

中には、悪性のものも少なくないため、 治療は手術だけではなく、抗がん剤や放射線治療が必要なことも少なくありません。 しかも小児脳腫瘍などの場合、治療の質がそこからのその子の人生に非常に大きく影響します。 大人と子供で別に考えてはいけませんが、 やはり小児となると、治療を行う側の責任も負担もより大きく感じられるというのが実際なのです。

そういった重大な治療を、 普段から小児の疾患に慣れていない人間が治療すべきではないというのが実際です。 これは小児脳腫瘍にかぎらず、 頭蓋縫合早期癒合症にしても、血管奇形などについても同様のことが言えます。

さらに、加えて、 手術や抗がん剤などが必要な場合、 全身管理についても小児では大人と同じというわけにはいきません。 やはり普段から小児の診療に長けている小児科の先生のバックアップがなければ、 小児脳外科医といえども、手術をおこなって、無事にその後の治療まで完遂することは難しいでしょう。

そういった意味でも治療を行える病院は、 小児科ふくめ、総合的なバックアップの整っている場所でなければならないのです。 通常の施設では困難というのは、こういった理由もあります。

脳神経外科の中でも、 極めて専門性が高い分野が、小児脳神経外科なのです。

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