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アングル:フランクフルト自動車ショーで見えたEV移行の現実

[フランクフルト 12日 ロイター] - フランクフルト国際自動車ショーに集まった欧州自動車メーカーの経営者たちは、ガソリン車から電気自動車への世界的な移行という現実、そしてそれが雇用や収益に及ぼす影響に目を向け始めようとしている。

一部の国の政府がガソリン車禁止を宣言するなか、中国も化石燃料車の禁止時期を検討していることが判明した。こうした流れを受けて、ダイムラー<DAIGn.DE>、フォルクスワーゲン(VW)<VOWG_p.DE>、PSAグループ<PEUP.PA>は相次いで、電気自動車を巡る開発計画を発表したが、その内容は政策当局者を躊躇(ちゅうちょ)させるものとなった。

例えばダイムラーは、計画している電気自動車版のメルセデスは当初、利益率が従来車と比べて半分にしかならない可能性があると警告。一部の製造工程の外部委託を通じたコスト削減を迫られるとの見通しを示したが、そうなればドイツの雇用が脅かされることになる。

またVWは、500億ユーロ(約600億ドル)相当のバッテリーなど電気自動車部品を調達するために、新たなグローバルサプライヤーとの契約を模索していることを明らかにした。電気自動車の部品の一部はまだ、欧州で製造することが競争上、理にかなわないためという。

<消費者が取り残される懸念も>

米電気自動車大手テスラ<TSLA.O>株は11日、6%近く上昇した。国営新華社通信によると、中国工業情報省の辛国斌次官は、化石燃料車の生産・販売の禁止時期に関する検討に着手したことを明らかにした。フランスと英国も2040年までのガソリン車廃止を打ち出している。

しかしPSAは、電気自動車が思うように売れず、消費者が取り残されるリスクを指摘する。タバレス最高経営責任者(CEO)は独紙のインタビューで「(電気自動車が)市場で受け入れられなければ、業界、従業員、政治家など全員が大問題を抱えることになる」と語った。

実際、電気自動車はまだ、補助金が手厚いノルウェーを除いて市場に浸透してはおらず、世界の販売台数に占める比率は1%に満たない。

<大量失職の恐れ>

電気自動車において、最も高額な部品はバッテリーだ。そのため、電気自動車の量産が始まれば、自動車用バッテリーで既に支配的な地位を築いている中国へと、欧州から契約や雇用が流れるとみられている。

コンサルティング会社アリックスパートナーズによると、バッテリーなど電気自動車のドライブトレインの製造には、従来車よりも人手が40%少なくて済む。そうなると、外部委託の影響を考慮する前でも、欧州のサプライヤーで11万2000人の職が失われるという。

IFO経済研究所は、2030年までにガソリン車を段階的に廃止した場合には、ドイツだけで60万人の雇用が失われると警告した。9月24日の総選挙で再選を目指しているメルケル首相は、独紙のインタビューで「(ガソリン車など)廃止の支持者ではない」と漏らした。

(Laurence Frost記者、Edward Taylor記者)

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