猪木詩集「馬鹿になれ」アントニオ猪木
角川書店
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僕は常々、規制強化で雇用問題が解決すると思っている厚労省やそのOB、公務員労組の人って、
なんでこんなに頭が悪いんだろうと同情の目で見ていたのだけど、このたび公務員労組が率先してゼネスト入りした
ギリシャを見ていて、その理由に気づいてしまった。一言でいうなら、馬鹿になったほうがトクだから。これだけの話なのだ。
いつも言っているように、大手企業の労組はユニオンショップなので数は多いが、実際には社内の一部門的な存在であり、労使交渉や春闘と言ったってやれることは限られている。終身雇用という途中下車の無い船の中での話なので、船の運航の妨げになるような要求は不可能だからだ。
その点、公務員労組は最強だ。とりあえず以下を見てほしい。彼らが世界最強である理由がおわかりいただけると思う。
【配当】
・民間の労組
削ると株価が暴落、市場から資金も調達できなくなる。
・公務員の労組
国民からいくらでも税金を徴収できるので、頭下げて出資していただくという発想がない。※いつかどこかの県職員が「私たちは地元の名士。厚遇批判はお門違いだ」と言ってのけて大ブーイングを食らったが、いまどき中国国営企業幹部だってこんなことは言わない。
【内部留保】
・民間の労組
組織の永続性を考え、設備投資や基礎研究への投資は必須。また不況時の蓄えという意味もある。
・公務員
単年度決算だし、足りなくなったら増税or公債で即解決するので、「内部留保を分配せよ」なんて恥ずかしいことを平気で言う。退職金積み立てなど、民間ならどこでもやっている当たり前のことすらやらずに、いきなり“退職手当債”を発行する自治体の多さからみて、永続性どころか3年先のことも考えちゃいないと思われる。
【昇給】
・民間
人件費総額は業績から自動的に決まってしまう。赤字なら無いものは無い。
・公務員
法律、条例さえ変えれば昇給可能。ということで、地域経済が低迷する傍で、なんてことない市役所の公務員が地域の名士状態になっている自治体は少なくない。
まあ要するに、税金という四次元ポケットがあって、しかも親方日の丸なので市場動向なんかも気にすることなく、心おきなく労働運動にまい進できるわけである。「労働者は団結せよ!」というのは普通の労組ならもはやプロレス的アピールだけど、彼ら公務員だけはガチンコだ。だって、とことん馬鹿になってゴネまくれば実入りは増えるわけで、彼らが馬鹿なのは合理的なのだ。
現在、一部に「公務員にもストライキを認めるべき」という声があるが、個人的には反対だ。売り上げ減や顧客満足度低下なんて気にかけることなく、彼らは盛大にスト権を行使すると思われるから。「政府の内部留保を吐きだせ」なんて言われても困るし。
それにしても。日本にとって早急に必要な改革は、僕は労働市場の流動化と公務員改革だと考えている。自治労を有力な支持母体とする民主党は、はたしてこの二つを実現できるのだろうか。(※2)これらなくして、日本には成長はもちろん、「持続可能な社会」もありえないのだが。
※赤字国債も時間差のある立派な増税なのだが、「内国債はいくらでも刷っていい」というアホもいて気づいていない人も多い。
※2なんだか一方的な民主批判になってしまったのでフォローしておくが、この二つの改革をやる気がないという点では自民党もまったく同じである。
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