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官僚たちの夏2010

昨年、TBSで放映された「官僚たちの夏」というドラマがある。
面白くて毎週見ていたのだが、途中からいまひとつの出来だったように思う。
というのもほぼ毎週、外圧→「それじゃ日本の産業はどうなるんだ!」と通産局長ブチ切れ→気合で乗り切るのワンパターンで、まあ水戸黄門風の定型ドラマと考えると悪くは無いけど、ちょっとねぇという感じだったから。

特に凄かったのは、「自動車産業を守るために規制を残せ」と叫んでいた翌週に「(繊維産業のために)自由貿易の灯りを消すな」と同じキャラが叫んでいたこと。
なんだかジャイアンみたいだ。

まあでも、テレビ局としても毎週見せ場をつくらないといかんのだろうと、長い目で見てあげていた。

ところが。文春の今週号に、経産省前次官の北畑氏の景気予測が掲載されているのだが、これがもう完全に「官僚たちの夏」丸出しである。

まず氏は「夏には景気が回復する」として、その根拠を述べていく。
金融システムにダメージが少ないこと、原油価格の低下と続いて、なぜか「外資系資本の撤退」があげられている。
曰く、「企業の姿勢が株主万能主義から、従来の健全な日本型経営に戻る」からだそうだ。

株主万能主義なんてあったっけ?とか、じゃあ昔の株式持合いが健全なのかとかいう疑問は置いておいて、問題はその後だ。

氏は今後の戦略としてモノ作り重視や環境技術育成をあげるのだが、最後に円高対策として「積極的にM&Aをしかけて海外展開を図れ」と締めくくる。

「外資が来るのはイヤだけど、我々はどんどん行かせてもらいますから」というのは少なくとも今の時代、経済大国となった日本には許されないだろう。

自由貿易体制を前提に成長戦略を練るという遺伝子が、彼だけではなく経産省自体に存在しないとしたら、“夏まで”どころか、10年は景気回復しそうにない。

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