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今のままの民進党に未来はない

ここまでの党の低迷に責任の一端を負う者として、反省し、沈思黙考しつつ、自らがどうあるべきか、党がどうあるべきか、考えてきた。

一方で、地元にあっては、できる限り脚を動かし、焼けつくような夏の陽射しの中、汗まみれになりながら、人々の声に耳を澄ませてきた。

結論から言えば、民進党という「新党」を作ったつもりになり、新党にふさわしい内実を作り出そうとしてきた、私達の試みはここまで失敗に終わったと思う。外側からも内側からも、民進党は、「旧民主党が名前を変えただけ」の存在としか見られていない。

所属議員まで「民主党」と言い間違いを繰り返すところに、そのメンタリティーが端的に表れている。「みんしゅとう、あっ、みんしんとう」と言い直す場面を見るたびに、自分達自身の意識の「変わらなさ」を痛切に感じてしまう。

せっかく作り出した「過去との不連続性」が、今となっては無きが如くとなり、ストレートに旧民主党のイメージを背負い込む形になっている。「柿沢さん、なぜ民主党に入っちゃったの」と、この間、何度言われたことか。新しい野党第一党を作り、新しいスタートを切ったはずが、その狙いが完全に外れた形になっている。

これでは駄目に決まっている。駄目だと思うからこそ、思い切って「民進党という新党」を作ったのではなかったのか。

思い切った決断をしたはずであったにもかかわらず、過去にとらわれ、過去に引きずり込まれている。生真面目で、苦しい中で歯を食いしばって頑張っている、せっかくの人材が全国にいるのに、党全体が過去を引きずっているがゆえに、国民から振り向いてもらえない。内部にいてその流れを止められなかった、この1年半の自らの非力にも、忸怩たる思いを感じている。

安倍総理への国民の支持はすでに飽和点に達し、これ以上の圧倒的な支持を与えることはもはやないだろう。それどころか、独善を生む「一強独裁」への懸念や批判が強まっているのは、世論調査に表れる民意が示す通りだ。

ところがこの間、民進党への支持は7%前後と、むしろ低下している。「安倍離れ」を起こしているにもかかわらず、自民党の支持率は30%台を維持しており、よほど堅調であるとさえ言える。

「安倍離れ」を起こした行き場のない民意が消去法的に向かっているのが、いわゆる「小池新党」だ。いまだ形成過程の緒についたばかりの、ありていに言って実態のない「小池新党」について、「投票したい」と答える人が35%にのぼっている(産経新聞世論調査)。現実に都議選では実力未知数の都民ファーストの会が「反自民(都連)」「さりとて非民進」の票をかっさらって歴史的大勝を果たしている。

「自民党に対抗できる」しかし「民進党ではない」そして「新しい期待できる何か」が生まれてくるのを、国民は渇望し、注視している。半信半疑ながらも、それに期待するしかない、という有権者心理が見て取れる。逆に言えばそれは、過去を引きずったままの民進党が、国民から見切りをつけられつつある裏返しとも言える現象だろう。それを肌で感じるからこそ、有為な人材の民進党からの流出が続くのだ。

このままでは駄目だ、待っていても変わりはしない。

民進党は、「今の民進党ではない何か」に生まれ変わらなければならない。今のままの民進党に未来はない。求められているのは「対抗勢力のビッグバン」であり、「民進党の建直し」のような小さなスケールの話ではないと思い知らなくてはならない。THINK BIG. そういうダイナミックな行動をこそ国民は求めている。

そのためには、党の器にこだわるべきではない。代表選前に前原さんが言った通りだと思う。この一点で私は前原さんに投票した。

「挙党一致」だとか「若手の起用」だとか、既成の政治の枠内での人事だとかには、もはや誰も興味はないのではないか。何をやるのか。その実現のためにはどんな手段でもいとわない。目的合理性を突き詰めた、鬼気迫るほどの「本気の姿」を見せる。たとえ異論があっても、結果を出してねじふせていく。その姿勢が必要だと私は思う。

小池都知事は確かに実体以上の期待先行であったかもしれないが、都議会でヘゲモニーを握る自民党の打倒を本気で目指し、あらゆる手段を選ばず、どんな勢力とも組んで、それだけの数の候補者を都議選で立てて、とにもかくにも結果を出した。どんな手練手管を弄したにせよ、出した結果が今まで誰にもできなかった偉業であるのは、かつて都政に身を置いた私はよく分かる。「崖から飛び降りる」と小池都知事は表現したが、崖から飛び降りて勝負に出て、結果を出したことが、今の「小池新党」への時期尚早な期待感につながっている。

しからば私達はどうか。野党第一党として「政権交代可能な民主主義」を標榜する民進党の新代表にとって、「解散総選挙で自民党にとってかわる」ことこそ、命懸けで追い求めるべき「結果」であるに違いない。だとすれば、現行の小選挙区比例代表並立制の衆院選挙制度の下で、取るべき戦略はおのずから自明とも言える。民進党という器にこだわらず、右も左もバランス良く取れる新しい対抗勢力を結集させ、自民党との政策的な相違点を明確にしながら、各選挙区における一対一の勝負の図式に持ち込む。これしかないではないか。

「思い切ったことができない」「言ったことを本気でやらない」「結果が出せない」「政治家の既得権益に踏み込めない」「自民党を批判しながら同じ穴のむじなでしかない」「批判ばかり」「チャンスをピンチにする」

こんな冷ややかな論評を覆し、あっと驚くような大転換を遂げられるよう、ご提言申し上げたい。前原新代表にはその余地がまだあると信じたい。

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