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「夢がない」という夢のある話

「経済にせよ雇用にせよ、最近は暗い話題が多いですね」というようなことをよく言われる。といっても実際そうなんだから仕方がない。
非正規切りにしても、06年から警告し続けてきて実際そうなってしまったわけだし。
「現状で問題ありません!これからも日本は繁栄し続けます!」

なんていうのはただのバカか詐欺師だ。

ところで、あちこちで話をしていて気付いたことがある。
「終身雇用を柱とする昭和型システムは絶賛崩壊中」という現状を解説すると、反応はどうも2種類に分かれるようだ。
まずは「はぁ…そうなんですか」と萎えるタイプ。新人から50代まで幅広いが、かちっとした会社の勤め人が多い。要するに昭和型システムで守られている(と本人は思って生きてきた)グループだろう。

一方で、「そりゃ面白いですねえ」とポジティブにとらえるグループもいる。

こちらも年代問わずだが、フリーや年俸制など、非昭和型のワークスタイルだ。
「面白いとはなんだ」と思うサラリーマンもいるかもしれないが、彼らにしてみれば汚れ役や使い捨てにされるわ、賃貸やローンは借りにくいわ、彼女の実家に挨拶に行ったらイヤミは言われるわ、雇調金はもらえないわ(でも税負担はさせられる)でいろいろ言いたいこともあるのだろう。

そういえば年末。某週刊誌の記者が二人、2010年の展望を取材に来て、
「サラリーマンの平均賃金はさらに10年下がり続ける」
「もう景気は大きくは回復しない」
「従業員数万人規模の超大企業で潰れるところが出始める」
「年金は実質破綻している。医療も団塊世代分までは支えられない」
「いずれにせよ現状のままなら、財政的に行き詰まる」
なんてダークな話をこってり話してあげたのだが、二人の反応が180度違っていて興味深かった。簡単にいうと、怯えた子犬のような目をするおじさんとワクワクする若手で、もちろん後者はフリーライターだ。
両者の間の壁が消え、制度に守られていたアドバンテージが消失するのだから、究極の格差是正といえるかもしれない。


考えてみれば、「幕府が倒れるから心配だ」というのは幕府の中の人だけでよいのであって、今から考えればそれは喜ぶべき進歩だった。
リセットボタンを押すか押さないかの違いはあるにせよ、リセット自体は遠からずなされるだろう。それを暗い話だと感じてしまう僕自身、まだまだ昭和的なモノを内部に引きずっているようだ。

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