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現場を見なければ見えてこないものがある

8月21日から24日にかけて、私が代表理事を務める公益財団法人School Aid Japan(SAJ)主催のツアーで、カンボジアに行ってきました。

ツアーの参加者様には、SAJが運営する孤児院や農場、WFPと共同で提供している朝給食、SAJがお米や文房具を提供している極貧の家庭 などを見学していただきました。

今回のツアーには、孤児院の子どもたちの里親様も多くご参加いただきました。

里親様と里子のふれあいには、いつもながら心を打たれました。

さて、SAJツアーの夕食会にはソー・ケン副首相を招待し、カンボジアの諸課題について議論しました。

また、ツアーの合間にハン・チュンナロン教育大臣と会談し、カンボジアの学校教育の課題について話し合いました。

副首相、教育大臣共に、私と全く同じ課題認識でした。

その課題とは「都市部と地方の教育の格差」です。

カンボジアでは、高校卒業時に全員、卒業試験を受験します。

その結果は、A~Fの6ランク(A~Eは合格、Fは不合格)に振り分けられます。

2016年の合格率は62.2%。

約4割の学生が不合格となり、高校卒業を認められないのです。

Aランク合格者にいたっては全受験者の0.5%に過ぎません。

しかも、Aランク合格者は大都市に集中しているのです。

プノンペンから遠く離れた田舎にある私の孤児院では、いまだにAランクはおろか、Bランク合格者すら一人も生まれていません。

クメールルージュ(知識人の大量虐殺)という負の歴史が、地方の教育現場に「教員不足」「教員の質の低下」をもたらしているのです。

数少ない優秀な教員は、より高い報酬を求めてプノンペンなどの大都市に集中してしまうのです。

SAJは、この「都市部と地方の教育の格差」を解消するために新たな事業をスタートさせます。

カンボジアで5本の指に入るカリスマ教師の授業をDVDに録画し、それを地方に配布するのです。

SAJスタッフとカリスマ教師が協議しながら、DVDにもっとも適したカリキュラムを新たに設計します。

持続可能な事業とするために、特別に貧しい地域を除いて有償配布(原価相当は回収)にしたいと考えています。

この新事業については、ソー・ケン副首相、ハン・チュンナロン教育大臣からの全面的な協力の約束を取り付けてきました。

SAJは、カンボジアでの教育支援事業をさらに加速させます。

みなさまのこれまで以上のご支援をよろしくお願い申し上げます。

なお、今回、朝給食の現場を見学していて、あることに気づきました。

給食を食べていない子が数名、いるのです。

話しを聞くと、お皿を忘れて食べられない子、家が貧しくてお皿すら買えずに食べられない子でした。

すぐにSAJスタッフにお皿を忘れた子ども用の貸出用食器の常備、ならびに貧しくてお皿すら買えない子どもへのお皿の提供を指示しました。

やはり、現場を見なければ見えてこないものがある。

現場主義の大切さを改めて感じたツアーでもありました。

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