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「※個人の感想です」打ち消し表示、禁止ではない 消費者庁がネットの噂否定、一方「誤認させる表示は問題」と釘

健康食品や化粧品、インターネット回線等の商品・サービスの広告で、ネットや雑誌のページ下部に「※個人の感想です」「※ただし条件があります」といった小さな文字を見つけたことはあるだろうか。商品の長所やメリットを謳う文句の後に記載されていることが多い。

消費者庁は今年7月、こうした「打ち消し表示」の実態に関する報告書をまとめた。か一般消費者1000人へのネットアンケートや、30代~50代の男女12人へのインタビュー結果から、誤認を生みやすい表示を改めるよう、事業者に注意喚起を行っている。

消費者の7割は、スマホウェブ広告の打ち消し表示を見ていない実態

こういう体験談型の広告、あなたも目にしたことがあるはず(画像は報告書より)
こういう体験談型の広告、あなたも目にしたことがあるはず(画像は報告書より)

例えば、

「入院、手術、通院の保障が、一生涯続いて安心。何回でも受取OK!」
(医療行為、医療機関及び適応症などによっては、給付対象とならないことがあります)

という表記では、上括弧部分の強調内容の例外を、下括弧内に表示している。これは、強調内容に例外がある場合、その旨を記載しなければ景品表示法に触れる恐れがあるためだ。このように打ち消し表示部分には、サービス利用時や契約時の注意点や条件など、重要事項が書かれているケースが多い。

しかし一般消費者のアンケートでは、半数以上が注意書きや注釈を見ない(読まない)と回答している。特にスマホのウェブ広告になると「まったく見ていない」と「あまり見ていない」を合わせる70%もの人が「打ち消し表示」に注意を払っていないことが明らかになった。

媒体に限らず、注意書きを見ない(読まない)理由は「文字が小さくて読みにくいから」が大半を占めるが、「主要なメッセージだけ見れば十分と思うから」という回答も多い。

報告書ではこのアンケートに加え数々の調査結果から、強調表示と打ち消し表示の文字バランス、配置箇所、背景色との区別等の工夫をするよう推奨している。

また、打ち消し表示の広告を「別条件型」「体験談型」など7つに分け、それぞれの具体的な改善例を挙げていた。個人の体験談を強調する「体験談型」では、広告を見た消費者の大半が「大体の人に効果がある」と受け取っているのが現状のため、

「商品の効果、性能等に関して事業者が行った調査における被験者の数、そのうち体験談と同じような効果、性能等が得られた者が占める割合、体験談と同じような効果、性能等が得られなかった者が占める割合等を明瞭に表示すべき」

としている。

打ち消し表示を使わないのが理想 やむを得ず記載する場合は「しっかり大きく」

この資料が9月上旬、一部ネットユーザーの間で話題になり、「打ち消し表示が禁止になる」との噂が流れたが、消費者庁表示対策課の担当者は「禁止はしない」と噂を否定した。

「広告は創意工夫で自由に作る物ですから、1つのカテゴリーを禁止にしようという意図はありません。ただ、誤認を生じさせるような表示は問題ですから、打ち消し表示を使う場合はしっかり大きく書こう、というのが報告書の主旨です」

景品表示法は消費者に誤認を与える表示を禁止し、強調部分に例外があれば、例外内容が強調部分と同程度伝わるよう工夫すべきとの立場を取っている。報告書は、こうした景品法の概念の確認と、消費者が打ち消し表示をどう捉えているか、統計的な裏付けを出すのが目的だった。立ち位置としては「こういうことを理解して作らないと景品法に抵触するよ、というガイドラインに近い」と担当者は話す。

「但し書きをしているから責任は果たした、と、漫然と広告を出している業者は多いようです。消費者に伝わらなければ意味はなく、そんな言い訳は通用しないのだと認識してもらうために、消費者庁から強いメッセージを出しました」

消費者にも「キャッチコピーだけで判断せず、注意書きまで目を向けてほしい」との思いはあるものの、基本的には事業者が適切な情報を提供するのが前提だとのスタンスを明確する。理想は、打ち消し表示が無くても成立する広告だそうだ。

業界や事業者からの反応は今のところ特にないが、消費者庁は今後、報告書を踏まえ、事業者向けの研修会や説明会を全国で展開していく予定だという。「広告を行う人は、皆さん報告書を熟読しておいてほしい」と強調した。

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